市場規模の変化から、米国「有利」の幻影を見る

市場規模の変化から、米国「有利」の幻影を見る。

タグ:中国と米国 貿易戦争

発信時間:2018-03-27 15:29:24 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 一国の経済力には、さまざまな要素が含まれる。市場規模はそのうち、最上位を占めている。中国と米国の貿易戦争において、各自の市場規模が自信の主な出処となる。市場が大きいほど、相手国やその他の貿易パートナーにとって魅力的であり、戦略的な主導権を握りやすくなる。

 

 一部の統計データによると、中米市場規模の比較対照をめぐり、異なる観点が存在する。うち一部の観点によると、中国の消費市場規模は2017年の段階で、米国を抜いていたという。また別のより流行している観点によると、中国全体の消費市場規模は2018年、もしくは2019年に米国を抜くというのだ。

 

 さまざまな観点をまとめると、中米両国の消費市場は現在、ほぼ同等の規模となっている。しかし中国がすぐに米国を抜く流れになっており、かつ差をつける可能性が高い。

 

 中国は9年連続で世界最大の自動車市場となっている。米国では2016年に1700万台以上が販売されたが、同年の中国では乗用車だけでも2400万台以上売れた。米国製の自動車の5分の1が中国に輸出される。うちGM及びその中国合弁企業は2017年に、中国で400万台を販売した。さらにドイツ各大手自動車メーカーの販売に占める中国の割合は3割以上で、うちVWは4割以上に達している。

 

 中国は世界最大のスマホ消費市場をキープしており、さらに世界最大のアパレル、EC、国内観光、農産品などの市場でもある。中国のじゃがいも輸入量は世界全体の過半数を占める。この10年間の米国の輸出増加率は4%だが、中国は11%に達している。

 

 中国市場は潜在力を引き出し続け、驚異的な規模となっている。中産階級と富裕層の消費者が台頭し、新世代の若者は新しい消費習慣を身に着けている。オンライン・オフライン販売ルートが社会をフルカバーし、消費の中国経済への寄与度が近年急上昇している。医療・介護制度の整備に伴い、中国人の消費能力がさらに引き出される。この将来性は、世界から注目されている。

 

 ごく少数の製品を除き、この世界の大半が買い手市場となっている。中国は世界最大の消費市場になり、世界経済の構造に深い変化をもたらし、国際政治に影響を生むことになる。どの国であっても中国に貿易戦争を仕掛ければ大きなリスクに直面する。極めて深刻な衝突に陥っていないにも関わらず、中国と戦略的に対抗しようとすれば、それは賢明な国策などではない。

 

 米国はハイテク分野で有利だが、理論的には中米が貿易戦争に陥れば、米国が中国から輸入する製品が代替されやすくなる。中国はさらにハイテクを学習し、導入する機会が減るだろう。しかしこの問題は過度に誇張されている。現在であっても、米国の制限があり、中国が購入できるハイテク製品は一般的なものに過ぎず、中国が最も欲しがっているトップレベルの製品は購入できない。また中国製品には安定的な供給と高コストパフォーマンスというメリットがあるため、米国は想像するほど簡単に代替品を見つけられない。

 

 中国の損失の方が大きいという米国の恫喝は、大きな賭けに出る度胸をつけるためだ。同盟国を抱き込み中国に対抗することをほのめかしているが、中国がそんな実力があることを信じるはずがない。米国と同盟国は経済面で競争関係にある。同盟国はせいぜいボスの喜ぶことを言うだけで、中国が間もなく米国市場を抜くという大きな誘惑に駆られれば、本当に米国に追随することはない。

 

 米国が強い実力と意志を持つとは、これまでの習慣的な想像によるものだ。米国は漁夫の利を想像するのが得意だが、本当の戦いを繰り広げるための資本を持たないことを理解している。大規模な戦いは持久力が必要だが、その持久力をなす最も重要な条件は、社会の団結と国民の支持だ。トランプ大統領はそのどちらも持たない。

 

 米国は圧倒的に有利な戦いしかできず、困難に直面すれば我慢できなくなる。中国人はこの点について、米国を見抜いている。最新の情報によると、中米はすでに交渉を開始しており、ムニューチン米財務長官は合意に向け「慎重に楽観視」していると表明した。中国が一方的に譲歩することを期待しているならば、その「慎重に楽観視」とやらを止めるべきだろう。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月27日

 一国の経済力には、さまざまな要素が含まれる。市場規模はそのうち、最上位を占めている。中国と米国の貿易戦争において、各自の市場規模が自信の主な出処となる。市場が大きいほど、相手国やその他の貿易パートナーにとって魅力的であり、戦略的な主導権を握りやすくなる。

 

 一部の統計データによると、中米市場規模の比較対照をめぐり、異なる観点が存在する。うち一部の観点によると、中国の消費市場規模は2017年の段階で、米国を抜いていたという。また別のより流行している観点によると、中国全体の消費市場規模は2018年、もしくは2019年に米国を抜くというのだ。

 

 さまざまな観点をまとめると、中米両国の消費市場は現在、ほぼ同等の規模となっている。しかし中国がすぐに米国を抜く流れになっており、かつ差をつける可能性が高い。

 

 中国は9年連続で世界最大の自動車市場となっている。米国では2016年に1700万台以上が販売されたが、同年の中国では乗用車だけでも2400万台以上売れた。米国製の自動車の5分の1が中国に輸出される。うちGM及びその中国合弁企業は2017年に、中国で400万台を販売した。さらにドイツ各大手自動車メーカーの販売に占める中国の割合は3割以上で、うちVWは4割以上に達している。

 

 中国は世界最大のスマホ消費市場をキープしており、さらに世界最大のアパレル、EC、国内観光、農産品などの市場でもある。中国のじゃがいも輸入量は世界全体の過半数を占める。この10年間の米国の輸出増加率は4%だが、中国は11%に達している。

 

 中国市場は潜在力を引き出し続け、驚異的な規模となっている。中産階級と富裕層の消費者が台頭し、新世代の若者は新しい消費習慣を身に着けている。オンライン・オフライン販売ルートが社会をフルカバーし、消費の中国経済への寄与度が近年急上昇している。医療・介護制度の整備に伴い、中国人の消費能力がさらに引き出される。この将来性は、世界から注目されている。

 

 ごく少数の製品を除き、この世界の大半が買い手市場となっている。中国は世界最大の消費市場になり、世界経済の構造に深い変化をもたらし、国際政治に影響を生むことになる。どの国であっても中国に貿易戦争を仕掛ければ大きなリスクに直面する。極めて深刻な衝突に陥っていないにも関わらず、中国と戦略的に対抗しようとすれば、それは賢明な国策などではない。

 

 米国はハイテク分野で有利だが、理論的には中米が貿易戦争に陥れば、米国が中国から輸入する製品が代替されやすくなる。中国はさらにハイテクを学習し、導入する機会が減るだろう。しかしこの問題は過度に誇張されている。現在であっても、米国の制限があり、中国が購入できるハイテク製品は一般的なものに過ぎず、中国が最も欲しがっているトップレベルの製品は購入できない。また中国製品には安定的な供給と高コストパフォーマンスというメリットがあるため、米国は想像するほど簡単に代替品を見つけられない。

 

 中国の損失の方が大きいという米国の恫喝は、大きな賭けに出る度胸をつけるためだ。同盟国を抱き込み中国に対抗することをほのめかしているが、中国がそんな実力があることを信じるはずがない。米国と同盟国は経済面で競争関係にある。同盟国はせいぜいボスの喜ぶことを言うだけで、中国が間もなく米国市場を抜くという大きな誘惑に駆られれば、本当に米国に追随することはない。

 

 米国が強い実力と意志を持つとは、これまでの習慣的な想像によるものだ。米国は漁夫の利を想像するのが得意だが、本当の戦いを繰り広げるための資本を持たないことを理解している。大規模な戦いは持久力が必要だが、その持久力をなす最も重要な条件は、社会の団結と国民の支持だ。トランプ大統領はそのどちらも持たない。

 

 米国は圧倒的に有利な戦いしかできず、困難に直面すれば我慢できなくなる。中国人はこの点について、米国を見抜いている。最新の情報によると、中米はすでに交渉を開始しており、ムニューチン米財務長官は合意に向け「慎重に楽観視」していると表明した。中国が一方的に譲歩することを期待しているならば、その「慎重に楽観視」とやらを止めるべきだろう。

 

「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年3月27日

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