「昨日高速鉄道に乗り、乗車券を発行せず、グリーンカードで直接改札を通った。中国人になったような感覚。本当に便利」。中関村国際孵化園のロビーで、イエメン出身のアハメドさんは高速鉄道で出張に行った時のことを嬉しそうに話した。第1陣19人の中関村海外人材がポイント査定を経て中国永住権を取得し、アハメドさんもその1人である。
アハメドさんは2005年に中国に留学し、2014年に清華大学でコンピュータ修士過程を学びながら中国の仲間とビッグデータ起業プロジェクトを開始した。北京の火鍋、胡同巡りが好きで中国で生活して10年以上になる彼は中国の熱狂的なファンで、友人から「アド」と呼ばれている。
彼を最も夢中にさせたのは、ここの濃厚な起業ムードである。「シリコンバレー以外に、北京のように起業に適した場所はあまりない。インターネット産業は世界トップで、人材、政策、資本もここに集まっている」とアハメドさん。
2017年初め、最初の事業が軌道に乗り、アハメドさんは2つ目のインターネット起業プロジェクトを開始した。彼は中東版「今日頭条」とコンテンツをサイトで配信し、チームとともに中関村国際孵化園に進駐した。アハメドさんは孵化園で事務所設置、知的財産権、投融資マッチングなどの各サービスを受け、チームとともに安心して事業を拡張した。
しかし、外国人であるということから、問題に出くわすこともある。例えば、ビザを毎年更新し、出張の際に切符を購入するのも窓口に並ばなければいけない。アハメドさんは、「ビザに関しては、会社もビジネスも中国にあるため、許可されなければばつが悪い」と話す。
グリーンカードを取得することで、これらの問題は解決される。
中国で働く外国人の友人との集まりで、アハメドさんは取得したばかりのグリーンカードを取り出し、喜びを分かち合った。友人たちは、中国のグリーンカードは敷居が高いというイメージを持っている。アハメドさんは、今は中関村で起業してもグリーンカードを取得できると伝えたという。
中関村管理委員会によると、公安部が2016年3月に北京のイノベーション発展の支援に関する20項目の出入国政策を発表して以降、中関村でグリーンカードを直接取得した人は353人いる。しかし、グリーンカードの海外人材の職務、キャリアに対する要求は高く、アハメドさんのような青年起業家にとって実現は困難だった。中関村はポイント制のグリーンカード申請方法を模索し、直接申請できる基準を満たさないが中関村のイノベーション・起業に貢献した中関村起業チームの外国人、中関村企業が選任した外国人技術者に対し、ポイント査定という方法で永住権を取得できるようにした。
第1陣でポイント制によりグリーンカードを取得した19人のほか、94人の海外人材が中関村が発行したポイントでグリーンカード推薦状を取得し、公安出入国部門での審査を待ってる段階である。中関村国際孵化園の楊楠会長によると、この政策の実施後、アハメドさんのような外国人起業家に歓迎され、孵化園も政策をもとにサービスを提供し、特徴的なサービスを構築している。
アハメドさんは中国を第2の故郷と考え、ここで結婚、定住し、子供を育ててビジネスを続けたいと思っている。「一帯一路」提唱のもとで、彼は「中国とアラブ諸国の科学技術協力を推進したい」という事業目標を明確にした。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年4月15日