▽協力のさらなる拡大を追求
2018年になってから、1月には河野外相が中国への公式訪問を要請し、中日関係改善の一層の改善に向けた日本側の意欲を示した。4月には、日本国際貿易促進協会の河野洋平会長が訪中し、経済が訪問のテーマとされた。河野会長は、「日本のビジネス界や企業の間では両国関係の持続的な改善を歓迎し、両国の友好のために積極的に貢献したいというムードがある」と述べた。
日本の安倍晋三首相は昨年12月に行われた第3回中日企業家・元政府高官対話の歓迎レセプションでのあいさつの中で、「両国の互恵の経済関係は、単なる二国間貿易にとどまらず、より大きな可能性を秘める。アジアの目下の旺盛なインフラ需要に直面して、両国は一緒になってニーズに対応していかなければならない。これは両国経済の発展にとってというだけでなく、アジアの繁栄にとっても大きな寄与をすることになる」と述べた。
日本の自民党の二階俊博幹事長は、昨年5月に中国で開催された「一帯一路」(the Belt and Road)国際協力サミットフォーラムに出席した。安倍首相も以前、「(『一帯一路』への)協力を希望する」態度を表明している。日本政府のこうした態度の変化が、日本企業の態度も変化させ、企業は「一帯一路」がもたらすビジネスチャンスをつかみたいと願うようになった。河野会長が率いた日本訪中団のメンバーは中国国際貿易促進委員会及び国際商会の代表とともに、「中日の協力による『一帯一路』の共同建設」について話し合うシンポジウムも開催した。
中国日本商会は「一帯一路」連絡協議会を発足させた。会員企業間で情報を共有し、商談会やシンポジウムも開催するという。三菱UFJ銀行やみずほ銀行などの大手銀行も、顧客のために関連業務を拡大する方法を模索し始めた。
だが両国は「一帯一路」をめぐる目標の推進で一致しているとはいえない。これから両国が「一帯一路」イニシアティブの下でそれぞれの目標の実現をどのようにすりあわせるか、今後しばらく注視する必要がある。