第1回中国自主ブランド博覧会で、中国中鉄股フェン有限公司の従業員は記者に対し、「これまで、ドイツから設備を輸入するのに3億元かかっていたが、中国が輸出するこの設備は約2億元である」と話した。
このシールド機は「世界建設機械の王」と称され、インフラ、特に交通インフラの建設に欠かせない設備の1つである。2001年頃、中国中鉄はインフラ開発用設備の95%を輸入に頼り、シールド機だけで年間50億元以上を費やしていた。 中国中鉄は15年で、ほぼ輸入に頼っていた状態から自主開発し、品種の揃ったシールド機/TBM(トンネル掘削機)ファミリーを形成するまでになり、現在は海外16の国と地域から注文を受けている。
中国中鉄高新工業股フェン有限公司党委員会書記・会長の易鉄軍氏は次の例を挙げて紹介した。レバノンの首都ベイルートは水不足が深刻で、地元住民は大容量の高い水を買って生活を維持しなければならない。2014年、レバノン政府は壮大なトンネル工事となる「ビッグ・ベイルート供水プロジェクト」を発表した。建設予算は3億7000万ドル、工期は数年。しかし、ビッグ・ベイルートはカルスト地形であるため、工事は非常に困難で、水路トンネルの直径は3.5メートルしかなく、世界にこれほど小さい掘削設備はない。
しかし、中国中鉄はそれを可能にした。 傘下の中鉄装備は2015年、世界最小直径のトンネル掘削機を2台開発し、現地住民に高い水を買わなくてよくなるという希望を与えた。2台の設備は2016年8月と9月に中国からベイルートに輸送された。 レバノンが全自動トンネル掘削機を使用するのは初めてで、レバノン政府のプロジェクト担当者も特に重視した。彼らは2台を「léa」「Yasmina」と命名。「léa」は高揚・正直・開放、「Yasmina」は勇敢・断固・活力を意味する。
2018年3月2日、世界最小直径のトンネル掘削機「Yasmina」のカッタがゆっくりと岩を破り、レバノンのビッグ・ベイルート供水プロジェクトの最難関・最長の2号トンネルが開通した。
供水プロジェクトは2019年に使用を開始し、ベイルートの水不足を解消し、約60万人が享受する見通し。
中国中鉄の李長進会長は、「ここ数年、中国は企業のイノベーション戦略に力を入れている。高速鉄道国家建設実験室、橋梁工事国家実験室、地下工事掘削国家実験室の3つの国家級実験室を持っている。そのほか、11の国家級技術センター、7つの国家級研究開発施設を持ち、2万2000人の上級エンジニアと17万4000人のエンジニアがいる」と話した。
李長進氏は、中国のプランで他国のインフラ建設問題を解決する必要があり、中国の基準と技術が国際的に認められれば、中国のブランド地位も上がるとの見解を示した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年5月19日