第5回中国ロボットサミットで明かされた情報によると、中国のロボット産業の発展にミドル・ハイエンドへのモデル転換という新たな特徴が現れている。2017年の産業ロボット生産量は13万台を突破し、5年連続で世界最大の応用市場になった。
その一方で、資本と起業者が理性を取り戻し、登録企業数の増加幅は初めて縮小した。また、産業発展は数の拡張から質の高い発展へと移行し、包括的業界基準と指導規範の作成も進んでいる。
勢いはあるが鈍化
中国ロボット産業は全体的に勢いがあるが、速度は鈍化している。サミット期間に発表された『中国ロボット産業発展研究』(以下、報告)によると、2017年のロボット企業登録社数の増加幅は前年比15ポイント縮小した。サミットに出席した専門家は、ロボットおよび人工知能(AI)市場は一定期間の盲目的な発展を経て資本と起業者は理性を取り戻し、安定した発展に向かっているとの見解を示した。
賽迪顧問インテリジェント制造産業研究センターの「2018年ロボット産業発展および投資価値」に関する最新研究報告は、「現在のロボット産業の応用範囲は農業や電力などの分野に拡張し、資本市場のロボットに対する情熱は高まり続け、ロボットの発展は黄金時代に突入した。中国ロボット産業の規模は2020年に600億元を超える見通し」とした。
しかし、中国ロボット産業には地域の発展がアンバランスという特徴が見られる。報告によると、2017年末時点の全国のロボット関連企業は6500社に達し、北京・天津・河北地区、長江デルタ地区、珠江デルタ地区に集中している。 国家製造強国建設戦略諮問委員会の委員で中国ロボット工業連合会の元執行副会長の朱森第氏は、「全体的を見ると、2015年から2025年までの10年は中国ロボット産業が飛躍する時期になるだろう」と話した。
同委員会は以前、2020年に中国の産業ロボット販売台数は15万台、保有台数は80万台に達すると予想している。
中国工程院の蔡鶴皐院士は、「ロボット製造分野に進出する企業が増えるにつれ、標準体系の整備、検査認証の健全化、市場体系の規範化、公平な競争の促進が急務となる」と話す。
2017年4月に工業情報化部、国家発展改革委員会、財政部が共同で発行した『ロボット産業発展計画(2016~2020年)』は、5年内に中国に完備されたロボット産業体系を形成することを要求した。工業情報化部の作業計画によると、次の関連産業促進政策は2つのコア問題の解決に取り組む。1つはロボット産業のミドル・ハイエンド発展の促進、もう1つは市場秩序の規範化、ロボット産業の無秩序な発展の防止。
工業情報化部装備司の羅俊傑副司長は、「中国ロボット産業の発展は数の拡張から質の高い発展へと移行している。今後はまずロボットの質の向上を推進し、ミドル・ハイエンド産業にする必要がある」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年5月19日