前述の商社役員は、東南アジアで10年間勤務した後、最近になって中国に派遣され、中国での業務を担当するようになった。同役員は、「同じ商品を、タイからマレーシアに運んで加工して、インドネシアの工場に送るというのは、言葉の問題はもちろん、関税をめぐる手続きなど、輸出入の税関検査だけでも、非常に時間がかかる」と説明する。
中国は、東南アジア諸国と比べると、面積はより大きいものの、統一の巨大な市場であり、加えて交通網が発達しているため、物流・運輸がとてもスムーズでスピーディだ。例えば、広東省で製造した部品を上海に運んでモジュールに組み立てた後、成都や北方の他の場所に運ぶ場合、1度の指示だけで済み、税関や言語、法律・法規の違いなどについて心配する必要がないため、コストや労力を大幅に削減できるという。
中国市場に進出してからというもの、同社の中国での売上高は、当初の数千万元(1元は約17.13円)から数億元規模に増加し、今では20億元を超えているという。紆余曲折を経て、日本企業は結局、中国市場がやはり最適であることを発見しなおしたといえるだろう。(編集KN)
「人民網日本語版」2018年5月25日