養老保険多元化投資の新ルートが明瞭になってきた。経済参考報が権威筋から得た情報によると、養老保険基金のさらなる価値の維持・増加を実現するため、関連部門は養老保険基金の投資範囲拡大の複数の手段を検討中だ。これには国有資本振替による社会保障基金の充実化、規模と速度の両面の取り組みが含まれる。また養老保険基金域外投資の模索、個人投資選択権の開放といった内容も含まれる。
業界内の専門家は「個人貯蓄や保険を含む数十兆元規模の民間資産が老後の備えに流れることで、中国は高齢化のピークに対応するより大きな自信と能力を手にする」と述べた。
中国の養老保険基金の支出規模は拡大を続けている。人力資源・社会保障部のデータによると、2017年の5つの社会保険基金の総支出は21.9%増となり、うち従業員基本養老保険基金の支出の伸び率は18.6%に達した。人力資源・社会保障部基金監督管理局の唐霽松局長は「高齢化の加速に伴い、社会保険制度内の高齢者扶養率が低下を続けており、基金全体の給付の圧力が拡大を続けている。基金の残高は毎年増加しているが、これを支える力が弱まる傾向が見られる」と述べた。
業界関係者は、「最低額の保証」と「資金源拡大」が、養老保険基金の価値の維持・増加を実現する方法になるとしている。市場化された多元的な投資運用は、高い潜在力を秘めている。
記者の調べによると、都市部・農村部住民基本養老金の累計残高は現在、6318億元に達している。財政部社会保障司と人力資源・社会保障部基金監督管理局は政策の研究を急いでおり、年内にも都市部・農村部住民養老保険基金の投資信託が全面的に始まる可能性がある。