都市マーケティングはどのような効果を発揮するのだろうか。これを上手くやるほど、都市ブランドの価値と魅力が十分に示され、地方経済の発展を積極的にけん引する効果を発揮できる。
昨年より、重慶市、アモイ市、杭州市、鄭州市、武漢市、成都市、済南市、西安市などの各2級都市が、新時代の「ネット流行都市」になっている。これは各地の都市マーケティングの覚醒を反映している。
中国の都市マーケティングの見本だった成都
2級都市のうち、成都市は都市マーケティングの意識を最も早く持った、最大の成功例だ。10年前の地震は人々に災いをもたらすと同時に、成都市の対外イメージに「影響」を及ぼした。四川省の省都であるため、汶川地震に関する多くのニュースが成都市を中心的な被災地とした。これは成都市の企業・投資誘致に難題をもたらした。
当時の成都市の都市マーケティングの重要手段は「導入と進出」だった。「導入」とは観光客を招き、企業を視察に招くことだ。「進出」とは観光局と投資促進委員会が代表団を作り、全国各地と海外で宣伝をすることだ。
当然ながら成都市にとって最も重要な手段は、流行を利用したマーケティングだ。自らドリームワークス社と連絡を取り、成都市の要素を映画『カンフー・パンダ3』に加えた。すぐに可愛らしいカンフー・パンダが、成都市の要素を全世界に届けた。成都市は2013年に、中国経済に影響を及ぼすバロメータと呼ばれる、フォーチュン・グローバル・フォーラムの開催地に選ばれた。
成都市は一連の都市マーケティングにより、メディアによる「中国第4の都市」という定義、有名映画監督の張芸謀による「来たら帰りたくなくなる都市」といった概念を人々の心に深く植え込んだ。
「ネット流行都市」新時代の都市マーケティングをけん引
都市マーケティングが当初、オフラインの有名大型イベントの開催を中心とし、次に都市コンセプトの強調を加えたとするならば、現在はインターネットを通じた交流型のマーケティングの手段が増えている。「ネット流行都市」とは、新時代の都市マーケティング効果の代名詞のことだ。当然ながら大型イベントは現在も、都市マーケティングの主な形式となっている。
例えば昨年より、重慶市、アモイ市、杭州市、武漢市、西安市、済南市など各2級都市は、若者の間で人気の短編動画サイトで名実相伴う「ネット流行の都市」になっている。
重慶市の場合、短編動画サイトなどの宣伝により、「8Dマジック都市」と呼ばれる現地観光業の新たな発展を迎えている。今年の5月1日「メーデー」に伴う連休中には、全国人気観光都市の3位に選ばれた。ネット上で『千と千尋の神隠し』の実写版と呼ばれる洪崖洞は、すべての観光客の目的地になった。「山城」という印象が根強い重慶市は、斬新かつ若々しい姿で若い世代を迎えようとしている。
都市マーケティング、都市のブランド価値を高める
現在の都市マーケティングの本質は、ある都市の興味深い中身を見出し、都市のブランド価値を掘り出し、これを体系的に大衆的な表現によって宣伝することとなっている。こうすることで都市ブランドの価値と魅力が示され、地方経済の発展に対しても積極的なけん引力を発揮できる。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年6月23日