中国のハイブリッド米は世界から高く評価されている。では、中国のハイブリッド小麦の開発状況はどうだろうか。
北京交雑小麦工程技術研究センター主任・首席専門家の趙昌平氏によると、1950年台以降、ハイブリッド小麦は世界各国の政府から関心を集め、多国籍企業及び海外の研究機関は巨額を投じて研究開発に取り組んでいる。長期にわたり、不稔性で繁殖と回復が困難、交雑種の生産が不安定、化学薬品汚染などの問題の解決が難しく、小麦の交雑種の大規模な応用は現在も実現しておらず、世界範囲で科学的課題となっている。
1992年、北京市農林科学院などの科学研究チームは世界でいち早く小麦の光温感受性不稔現象と材料を発見し、自主イノベーションを20年以上続け、20%以上増産できる優れたハイブリッド小麦のかけ合わせを開発し、「中国二系ハイブリッド小麦技術体系」を確立し、世界の小麦栽培界を60年以上悩ませてきた科学と技術の難題をクリアした。
趙昌平氏は、「中国二系ハイブリッド小麦技術体系は独自の自主的知的財産権を有し、全体的な開発レベルと応用速度は世界のハイブリッド小麦分野をリードする」と話した。第2世代超高生産型の新品種「京麦9号」は河北省唐山市で1ムーあたり収穫量が最大739キログラムに達し、記録を打ち立てた。塩性・アルカリ地用ハイブリッド小麦品種「京麦6号」は北京・天津・華北・環渤海の塩性・アルカリ地で1ムーあたり収穫量が500キログラムに達した。北京市農林科学院のハイブリッド小麦研究チームは全産業チェーンのコア技術のイノベーションを積極的に模索し、世界で率先してハイブリッド小麦の全工程機械栽培技術を開発し、ハイブリッド小麦の大規模応用を実現した。
専門家は、ハイブリッド小麦の応用がハイブリッド米と同じレベルに達すれば、中国の小麦収穫量は年間100億キログラム増加し、中国の食糧安全を保障できると予想する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年6月27日