外資企業誘致・外資導入に30年以上も従事している、米モンタナ州グレートフォールズ発展機構のブレット・ドニーCEOは新華社記者に「企業はみな不確実性を嫌う。私の職業人生において、これほど不確実性に満ちた貿易環境を見たことがない」と話した。
ドニー氏はワシントンで開かれたセレクトUSA投資サミットに出席した、米国各地の700人以上の地方外資企業誘致・外資導入機構の代表者の一人だ。例年と異なり、トランプ政権の一連の一方的な保護貿易主義により、世界の投資家の間に懸念が広がっている。これは先週末に閉幕したばかりの投資サミットに暗い影を落とし、地方の外資企業誘致・外資導入機構の取り組みを困難にした。
年初以降、トランプ政権は輸入洗濯機、太陽電池モジュール、鉄鋼・アルミ製品に追加関税を導入し、輸入自動車・部品を対象に国家安全調査を実施し、かつ中国製品を対象とする追加関税リストを公開した。世界的な貿易戦争を引き起こす構えを示し、世界の企業の投資・経営に重大な不確実性をもたらした。
トランプ政権は減税や監督管理の緩和といった政策が、外国企業の対米投資により便利な環境をもたらすと称している。しかし投資家は、貿易政策の不確実性がこれによるプラスの影響を相殺し、世界の産業サプライチェーンをかき乱し、経営コストを拡大させることを懸念している。
「企業は貿易の不確実性について異なる反応をするが、今や多くの企業が投資の決定を先送りにしている。1つの新工場建設は、20年、30年、さらには40年に関わる長期的な投資であり、そのため経営者は安定的な環境を必要とする」ドニー氏は、貿易問題がすみやかに解消され、企業が一日も早く投資と雇用創出の正しい軌道に戻ることに期待すると述べた。
米国企業は、関税措置が輸入コストを高め貿易摩擦を起こすことで、企業の収益に影響を及ぼすことに焦りを感じている。米国大手企業約200社のCEOによる「ビジネス円卓会議」が5月に行った調査を見ると、CEOの9割が米国企業が「コスト増」に直面することを懸念しており、95%が「外国の貿易報復措置により米国の輸出が減少」を「中度もしくは深刻なリスク」としていることが分かる。