ロボットとの戦いで医師があっさりと敗北した。しかし負けたはずの医師たちは大喜びしている。頭脳明晰な助手が誕生したからだ。
この神経イメージングAIマンマシン大会「Chainカップ」は、国家神経系疾患臨床医学研究センター、首都医科大学ヒト脳保護ハイテク革新センター、中国卒中学会が共催した。「BioMind天医智」神経イメージングAI診断補助システムと、国内外の神経イメージング分野のベテラン医師25人が対戦した。
情報によると、同分野の人と機械の戦いは世界初だ。
初登場した「BioMind天医智」は、世界初の神経疾患AI研究センターと首都医科大学ヒト脳保護ハイテク革新センターが共同開発した。これはまた世界初の頭部疾患(脳腫瘍、小血管・大血管疾患、脳卒中など)MRI/CTイメージングAI診断補助の全体的な応用製品でもある。
決勝戦において、医師は2組に分かれAIと対決した。各組が225枚の患者の画像を使用した。医師は真剣そのものだったが、AIは落ち着き払っていた。操作担当者がクリックし、「BioMind天医智」によるスキャン・分析を行うと、15分で答案を提出した。その時医師らはまだ真剣に核磁気画像を1枚1枚とチェックしているところだった。最後の数分間で、医師らは判断しがたいケースについて議論した。
評価委員会の審査により、判断にかかった時間が異なるほか、AIと医師の正解率は1組目が87%・66%、2組目が83%・63%とされた。
「BioMind天医智」の急発展と驚くべき成績について、北京天壇医院常務副院長の王擁軍氏は意外に思わなかった。「北京天壇医院は毎年、全国各地からの神経系難病の患者30万人の診断を行い、手術を1万回以上行っており、全国最大の脳疾患サンプルバンクを持つ。そのためBioMind天医智はわずか数カ月で、疾患の診断の効率と精度を高め続けることができた。多くの病院が長年に渡り目にすることのなかった、珍しい難病を学ぶことができる。神経分野の研究開発及び学習の深みにおいて、先天的な長所とビッグデータの基礎を持つ」
王氏は「この試合でどちらが勝つかについては重視しておらず、火花を散らさせるつもりもなかった。むしろ専門技術を磨き合うことで、医師とAIの相互理解を促進し、未来の臨床医学診断における『機械との黙契』の基礎を固めたかった。今回の大会を通じ、医師にAIの魅力を体験させたかった。特にAIを疑問視する医師がAIへの理解を深め、恐怖を払拭することを願った。また脳出血及び血腫の拡大を正確に予測するなど、AIが人間では難しい任務を完遂できることを理解してもらいたかった。今後はAIを利用し、診療水準の革新と向上を実現できる」と述べた。
情報によると、国家神経系疾患臨床医学研究センタービッグデータセンターは大会終了後、「BioMind天医智」の学習成果の形成を続け、多くの国内外対抗戦を開き、未来の臨床使用に向け準備を整える。また国内医療機関と神経科の医師からプロジェクトを募集し、入選者に100万元の資金援助を与える。同センターはさらにハイレベルのAI技術チームを提供し、プロジェクト担当者が興味を抱く分野の学術研究を掘り下げ、臨床応用可能なAI製品を開発できるよう支援する。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月3日