ドイツ自動車メーカーBMWは先週、ウィルバー・ロス米商務長官宛ての書簡で、米国側に自動車関税措置を発動しないよう呼びかけた。
ドイツ通信社、ロイター通信などのメディアの1日の報道によると、BMWは書簡の中で「米国国内の自動車製造業と米国の国家安全の間に明確な関連性がない」と記した。
米商務省は近日中に、輸入車が国家安全を脅かすかに関する調査を実施する。BMWのこの書簡は、調査のため企業が準備した資料の一部だ。
BMWは、「米国は輸入車に関税を導入すると脅しているが、ある経済目的を念頭に置いているようだ。米国経済の競争力を高めることで、米国の国家安全を強化できるという理論を根拠にしている。ただし輸入車部品の関税を引き上げることで、米国以外の自動車生産国の競争力が高まるだろう」と記した。
「これらの要素により、米国が各市場に自動車を輸出する際のコストが大幅に増加し、(米国製の)BMW車の各地への市場進出状況が悪化し、輸出量が急減する恐れがある。これにより米国の投資・雇用に悪影響が及ぶ」
BMWの世界最大の生産拠点は、米サウスカロライナ州スパータンバーグに位置し、現在は毎年45万台を目標に生産能力の拡大に取り組んでいる。この工場は外注先を含め、約3万6000人分の雇用機会を創出している。BMWのデータによると、米国は2017年にBMW車を27万2000台輸出した。
BMWは書簡の中で「米国と外国の競争を切り離せば、米国企業は生産効率を引き上げ、より低コストでより良い製品とサービスを提供する動力を失う」と記している。
米国とEUは最近、関税を巡る紛争に陥っている。米国が6月上旬、EU製の鉄鋼・アルミ製品に追加関税を導入したことに反応し、EUは同月22日に総額28億ユーロ(約32億6000万ドル)の米国製品に25%の追加関税を導入することを決定した。ドナルド・トランプ大統領はその後、EU製の自動車に20%の関税を導入すると脅迫した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月3日