日本の内閣府が2005年に示した日本の経済・政策に関する理念と方向性を記した「日本21世紀ビジョン」は、「2030年の経済の姿」として、「これまでの『輸出立国』から、優れた経営資源や技術を活用しグローバルに投資活動を行う『投資立国』へと発展していく」と展望を語った。ここから日本が海外投資の位置づけを国の命運に関わる「百年の大計」へと引き上げたことがうかがえる。「環球雑誌」が伝えた。(文:劉雲・中国現代国際関係研究院副研究員、南開大学日本研究院客員研究員)
日本の財務省は最近、日本が海外に保有する対外資産の残高に関する調査結果を発表した。それによると、17年末現在、対外資産の残高は1012兆4300億円で、日本の17年の国内総生産(GDP)の1.85倍にあたる数字だ。対外負債を差し引いた対外純資産は328兆4500億円で、2位のドイツを25.84%上回り、日本は27年続けて世界最大の債権国になった。
こうしたデータは「日本は対外投資を通じて『日本』を立て直そうとしている」という説を補強する。なにしろ海外での経済規模が国内の経済規模にほぼ匹敵するのだ。
▽日本はどうやって海外に少しずつ資金を貯め込んだか?
「輸出立国」から「投資立国」へ
第二次世界大戦後、日本はさまざまな経済発展理論の検証作業を土台として、「輸出立国」を目指す経済発展の方針を確立した。日本政府は「輸出」をめぐり、資源配置、産業バージョンアップ、対外政策を計画的に配置実施し、国民経済を豊かにし、日本経済は一躍世界2位に躍り出た。
だがこうした政府主導型の強気な輸出政策は、真っ先に米国の保護貿易の攻撃対象になった。1960年代の繊維製品をめぐる貿易摩擦に始まり、米日間の貿易摩擦は拡大を続け、日本の半導体産業を全体として弱体化させたほどだ。