▽投資の重点は先進国
日本の主な投資対象は先進国だ。先進国の資本市場は規模が大きく、利益獲得の可能性が大きく、資産が相対的に安全で、価格はより安定している。また消費市場は容量が大きく、利益の規模も大きい。
日本貿易振興機構(ジェトロ)がまとめた統計によると、15年末現在、日本の対外直接投資(FDI)のストックは1兆2600億ドル(1ドルは約110.6円)に上り、投資先は先進国に主に集中する。このうち米国への投資ストックは4187億9400万ドル、欧州連合(EU)は2886億5600万ドルで、中国の1088億4700万ドルを大きく上回る。
近年の投資の増加分をみると、日本の海外投資は引き続き米国、英国などの先進国に集中する。15年を例に挙げると、日本の対外FDIは1307億5200万ドルで、対米が448億9300万ドル、対英が152億500万ドルで、主な投資分野は金融保険、インフラ、工作機械設備、消費財などだった。米国でトランプ大統領が誕生すると、日本はエネルギー、自動車、インフラなどの分野での対米投資を拡大した。
ここ数年、日本サービス企業は相次いで先進国に照準を合わせ、日本国内の人口減少や市場縮小がもたらした利益の低下を補おうとしている。M&Aを通じて米生命保険産業の中核企業、米国のバイオベンチャー企業、英国のチップ大手アームホールディングス、オーストラリアの物流大手トールホールディングスなどを次々買収した。
日本メディアの報道によれば、ここ数年、日本の代表的サービス企業といえる3大保険会社の東京海上ホールディングス、MS&ADインシュアランスグループ、損害保険ジャパンで海外業務が大幅に伸びている。統計をみると、18年1~3月に東京海上の海外業務収入は1兆2502億円に上り、MS&ADは8274億円、損保ジャパンは6363億円だった。