一方的な貿易戦争、世界経済の回復を妨害
経済がグローバル化する時代において、各国の経済の利益は互いに浸透し、高度に依存する。世界経済の回復は現在も依然として脆弱だ。多くの経済学者は、米国の保護貿易主義が世界経済を著しく損ねることを懸念している。スタンダード&プアーズは、米国が発表した追加関税がすべて発動された場合、世界経済の成長率が1ポイント低下すると予想した。国際決済銀行は、保護主義の台頭は世界経済の重要な弱点になっており、世界経済の成長率低下、さらには衰退を誘発しうると警鐘を鳴らした。清華大学国家金融研究院の朱民院長は、中米貿易戦争だけでも世界産業チェーンに4000億ドル以上の損失が生じると見積もった。英オックスフォード研究所は報告書の中で、貿易戦争により生じるリスクは経営者の自信と投資に深刻な影響を及ぼしており、世界の金融市場をかき乱していると強調した。
世界経済という巨船が座礁すれば、真っ先に被害を受けるのは米国本人だ。米国の産業界、消費者自身の利益に重大な損失が生じる。米格付け機関のムーディーズは、貿易戦争により米国の25万人分の雇用枠が流出するリスクがあり、それに伴い米国の各世帯の支出が平均210ドル増加すると予想している。
(筆者・陳新光 中国社会科学院―上海市人民政府上海研究院研究員、中国・グローバル化シンクタンク(CCG)客員研究員)
中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月10日