「一帯一路」建設で金融の資源配分における役割を充分に発揮し、金融を「一帯一路」建設の支柱とすることは、金融が中国の実体経済の発展に寄与するうえでの現実的な需要であり、「一帯一路」国際協力で金融の脆弱分野を補強するための内的要求でもある。
「一帯一路」建設に参加する国の多くは発展途上国だが、その多くは資金調達難に直面している。これらの国々を重視し金融支援を提供しない限り、その発展レベル向上と更なる「一帯一路」建設の推進は期待できないだろう。現時点で、「一帯一路」建設を推進するなかで金融面ではまだ多くの脆弱分野がある。具体的には、◇中国資本の金融機関の海外進出のペースはまだ緩やかだ、◇中国資本の金融機関が「一帯一路」建設に参加する中で、相互の価格抑制や組織の自由な分散配置など無秩序な競争が起こっている、◇金融機関の海外進出に関わる法律・会計・格付け・基準などの供給が顕著に不足している――などの点が挙げられる。これらの問題に対しては、金融協力制度のトップダウン設計を強化し、「一帯一路」国際協力における金融の弱点補強が必要となる。
開発性・政策性金融と商業性金融の協調協力を促進する。開発性・政策性金融は国家の方針を体現し、指導的・モデル的役割を果たす。商業性金融は市場規律に従い、より強い市場性と弾力性を持つ。「一帯一路」建設では、開発性・政策性金融と商業性金融の協調協力・相互補完を促進し、異なるタイプのプロジェクトについては異なる金融主体を選択し状況に応じて推進する必要がある。例えば、国家の重要な利益に関わるプロジェクトや対外援助プロジェクトについては、開発性・政策性金融機関が金融支援を提供できる。予測可能な経済効果が得られるプロジェクトについては、主に商業性金融機関が担当することになる。