中国での工場建設を正式に確認したテスラは、中国現地生産の道で再び重要な一歩を踏み出した。テスラは上海臨港管理委員会、臨港集団と10日、電気自動車(EV)プロジェクト投資協定に署名した。テスラは臨港地区で、研究開発・製造・販売などの機能を一体化するギガファクトリーを単独出資で建設する。上海市政府との契約には成功したが、中国現地生産を実現するまで、テスラはまだ長い道を歩まなければならない。これには工場建設、バッテリー提携先の模索、サプライチェーンの構築などが含まれる。財務リスクを抱えるテスラがこれらの問題を解消できるかについては、今後の経過を見守る必要がある。
資金は100億ドル必要か
公開されている資料によると、上海工場が予定している年間生産台数は、現在のテスラの世界販売台数の5倍に相当する。テスラの昨年の世界販売台数は10万3000台で、うち15%が中国市場。中国はこれにより、テスラにとって最大の海外市場という地位を維持した。
イーロン・マスクCEOはこれまで、中国での工場建設に強い興味を示していた。また現地生産を実現できれば、関税や輸送費などのコストを削減することで、テスラ製EVの中国での販売価格を3分の1下げられると表明していた。
今回の契約後、テスラの新工場が間もなく着工となる。工場建設から正式な稼働まで2年ほどかかり、その後さらに2−3年で年間生産台数を最大50万台とする。