真夏の熱帯夜、ベトナムと国境を接する憑祥市の夜市美食街で、「胡西施水果撈」という名の店が最も賑わっていた。中国各地の人々が長蛇の列を作り、東南アジアの本場のフルーツ盛り合わせを購入しようとしていた。
店員はてきぱきと新鮮な熱帯果物をカットし、透明なガラスのお碗に盛り付けた。カーネルコーン、小豆、細切りした椰子の実をまぶし、濃厚で薫り高い練乳をかければ、甘く美味しいフルーツ盛り合わせが完成だ。
同店の常連客の羅梓さんは「フルーツ盛り合わせは人気商品で、新鮮でさまざまな果物が入っている。食べるとねっとりとして美味しい。東南アジア諸国の果物を集めるフルーツ盛り合わせが10元で食べることができ、たいへん割に合う」と話した。
憑祥市は中国からベトナムやASEAN諸国に通じる、最も便利な陸のルートで、5年連続で「中国の果物輸出入が最大の市」という地位を守っている。憑祥友誼関及び浦寨口岸を出入りする果物は毎年100万トン以上で、輸入量は50万トン以上にのぼる。ASEANの果物の500グラム中400グラムが、憑祥市から中国に入る。
広西鴻桂華輸出入貿易有限公司の陳仁総経理は、中国新聞社のインタビューに応じた際に「以前は東南アジアからの輸入果物は中国で高額だった。クール便のネットワークが整っておらず、通関にかかる時間が長く、東南アジアの果物は国内での販売価格が割高だった。当社はベトナムのドラゴンフルーツの輸入を22年続けており、東南アジア諸国の果物が贅沢品からリーズナブルな人気商品に変わるのを見守った」と述べた。