ホール内は満席で、数百人が前方の数値に目を向けていた。数値が表示されると、取引が成立だ。喜ぶ人がいればため息をつく人もおり、新たなチャンスを待つ人もいた。
これは記者が昆明花競売取引センターで目にした光景だ。毎日午後3時から夜8時頃にかけ、ここでは生花の切花の激しい競売が展開される。
同センターの張力総経理は「今日は300万本以上販売した。最多で1日800万本以上売れたこともある」と話した。
張氏によると、同センターはまず花の品質検査を行い、その品質をA、B、C、D、粗悪品の5段階に分ける。毎日午後3時に取引が始まるまで、買い手は現場で商品を調べ、満足した商品をメモする。競売人がまず高い落札価格を設定し、そこから徐々に下げていく。買い手が適切な価格と感じ、落札ボタンを押せば、取引が成立だ。
取引成立後、花農家は同日夜のうちに同センターから情報を受け、翌日に売上金を手にすることができる。花は夜のうちに空港に送られ、翌朝にも航空機で全国各地、さらにはロシア、中東、東南アジア諸国に運ばれる。
情報によると、2002年末より正式に営業開始した同センターは16年間の発展を経て、今やアジアで取引規模が最大の(世界では3位)専門的な切花競売市場になっている。2万5000の花農家と生産企業が、同センターの供給会員になっており、3100の卸売業者が購入会員になっている。毎日約500品種の花がここで取引されている。
雲南省の気候条件は、花の栽培に特に適している。現地で発達する花栽培産業により、同センターの2017年の切花取引量は11億400万本に、取引額は9億6500万元に達した。今年上半期の取引量は5億7000万本で、通年で12億本にのぼる見通しだ。
花屋で購入するならば、バラは1本で3−5元する。七夕やバレンタインデーなどの特殊な日ならば、10元以上になるだろう。それでは同センターで売られている花は、1本いくらぐらいなのだろうか?
張氏は「花の価格はランクで決まり、質のいいものほど値が張る。A級の昨年通年の平均価格は1.43元で、質の劣るD級は0.56元だった」と話した。
最も多く売られている花は何だろうか。同センターの高紅玲CAOは「バラの取引量が最も多く、センターの約7割を占めている。バラの通年の平均価格は1本あたり約0.8元。カーネーションやハクチョウゲの取引量も多い」と説明した。
同センターは今や全国花取引価格基準センターになっており、毎日の切花の取引価格は、全国各地の花市場の価格に直接影響を及ぼす。
張氏は「2025年には世界向けの花取引センターを作り、世界一流の現代花取引センターになる。雲南省の花を世界に売り、世界から花を買うという流通構造を形成する」と述べた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月25日