経済環境が日一日と複雑化するなか、新華社記者は東部沿岸部の民間貿易会社を約10社取材した。受注の増減、市場の変化、技術のアップグレードなどの面から、企業が潜在リスクにいかに対応し、逆風のなか前進しているのかを調べた。
一つのかごに卵を入れない
製造業について、一部の貿易会社の受注が安定的に増加している。寧波佳爾霊汽動機械有限公司は主に空気圧コンポーネントの生産に従事しており、輸出が3割を占めている。同社の単軍波副総経理は「今年1−5月は昨年よりも好調で、輸出の売上が2割ほど増えた。7月にはさらに40万ドルの注文を受けた」と話した。
杭州税関の統計データによると、浙江省は今年上半期に貿易額で全国トップをキープした。貿易額は前年同期比8.9%増の1兆3300億元で、全国の成長率を上回った。
貿易摩擦のリスクを回避するため、多くの企業は市場情勢に基づき貿易戦略を絶えず調整している。愛伊美集団の印鶴鳴副総経理は「一つのかごに卵を入れないは、当社の経営方針だ」と述べた。
この年間売上高が12億元に達するアパレル会社は当初、米国市場に力を注ぎ、その後日本への輸出が中心となった。今や欧州、中東、南米、東南アジアなど30以上の国と地域に商品を販売している。印氏は「当社は慎重で穏健な貿易戦略を展開し、毎年市場の変化に基づき調整を行っている」と話した。
寧波派達索塑料玩具有限公司は、ペットの玩具を輸出する中小貿易会社で、米国市場に10年以上取り組んでいる。蒋永芳総経理は「米国の取引先からの値下げ要求が厳しく、一部の人気商品の価格を3%引き下げた。当社は欧州市場も開拓しており、ドイツ企業と商談中だ」と述べた。