馬鞍山鉄鋼(集団)有限公司(以下は「馬鋼集団」)が生産する時速320キロ高速列車用車輪160枚がこのほど、フランスの馬鋼Valdunes社で包装され、ドイツ鉄道ヴィッテンベルク工場に運ばれた。間もなく列車に取り付けられ、運行開始となる。中国製の高速列車用車輪の輸出はこれが初であり、中国企業が貿易戦争に落ち着いて対応し、新たな国を跨ぐ産業チェーンの協力を実現したことが分かる。
香港紙・大公報(電子版)の24日の報道によると、中国最大の列車車両開発・製造拠点である馬鋼集団は近年、世界で最も競争力のあるレール交通ホイールセット企業を目指している。馬鋼集団はホイールセットと高速列車用軸受の生産ラインを持ち、原材料及び輪軸の製造・メンテナンスの全産業チェーンをカバーし、さらに国際化運営プラットフォームを構築した。中国鉄道科学研究院などと完全に独自の知的財産権を持つ時速250・350キロ級高速列車用車輪を共同開発した。中国の高速鉄道で60万キロ以上の使用に成功しており、国内輪軸製造メーカーとして初めてCRCC証書を取得した。
高い製品力で貿易戦争を恐れず
報道によると、中国商務部研究院国際市場研究所の白明副所長は「ドイツ鉄道は高速鉄道の高い技術力を持っており、その厳しい品質及び供給基準は業界内で知られている。中国製の車輪が認められたことで、産業チェーン全体の一部になった。中国の高速鉄道技術が、すでに世界トップ水準に達していることが再び証明された。また世界の高速鉄道市場には広く需要が存在する。中独間の国を跨ぐ産業チェーンの協力掘り下げにより、パイを大きくしウィンウィンを実現できる」と指摘した。
白氏は「高速鉄道や航空機などの大型産業は、世界から部品を調達する必要があり、国を跨ぐ産業チェーンの協力が不可欠だ。米国は中国や世界を相手に貿易戦争を展開しているが、最終的には逆効果になり自国の発展が妨げられる。中国企業は米国からの貿易戦争の脅威を受け、自社製品の国際的な競争力を高めるべきだ」と警鐘を鳴らした。
馬鋼集団は世界の鉄鋼企業のうち先頭集団に入っている。参考消息網の調べによると、世界的な鉄鋼分析機関のWSDがこのほど、最新の世界鉄鋼企業競争力ランキングを発表した。今年の入選企業数は35社で、中国からは5社が入選。馬鋼集団は4位につけた。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年7月25日