米国政府は総額2000億ドルの中国製品に10%の関税を上乗せすると発表したが、このほど上乗せ分を25%に引き上げると発表した。米国側のこの措置は世界貿易機関(WTO)ルールに著しく背き、世界の産業チェーンと自由貿易体制を損ねる。国際メディアは、米国側による今回の貿易摩擦をエスカレートさせる手法をこぞって批判している。
米NYタイムズ紙は「これは両国の工業と消費者に被害をもたらす貿易紛争の重大なエスカレートだ。これらの関税措置は、中国製品に依存する米国の消費者と企業、特に農家と製造メーカーに大きな影響を及ぼす。彼らは、中国が大豆やその他の農産物の関税を引き上げたことで、貿易戦争の衝撃を受けていると不満を漏らしている」と報じた。
仏ル・モンド紙は「米国が中国を対象に貿易戦争を発動したが、これは米国の農産物、家電、自動車など各分野に損失をもたらす。米国政府の措置は米国の生産と輸出を脅かしており、一部の製品の値上げ分は米国の消費者に転嫁されている。米国が鉄鋼・アルミ製品に関税を課したことから、この2種類の原材料の価格はそれぞれ年初より3分の1、11%上昇している。米国の多くの製造業の生産コストが拡大している」と指摘した。
仏経済誌は「貿易戦争のコストは最終的に、消費者が負担することになる。米国政府が引き起こした貿易戦争により、各種製品の価格が高騰し、米国人の日常生活を脅かし始めている。コーラ、ウイスキーなどの飲料水とアルコール類、自動車などの工業製品、さらには付箋などの価格が高騰し、輸出が困難になっている。米国の保護主義政策とそれによる関税への報復措置により、米国の各分野、特に農業が損失を受けている」と報じた。
メキシコ全国製造業会議所の所長は「自由貿易を尊んでいた米国は今や、時代の流れに背く一連の政策を打ち出しており、世界のアナリストでさえ不意を突かれている。米国側の手法は各国の生産力と競争力の向上を妨げ、かつ中小企業の生存と革新を妨げる」と指摘した。