今年に入り、AI分野の発展がさらに進んでいる。消費レベルでのAI商用化が加速すると共に、市場とニーズも細分化している。マーケットに詳しい人物は、「AIの商業化元年がやって来た」と話す。
AIアシスタントから始まった投資ブーム 増え続けるAI融資
AI分野での基礎となる高速チップ、ビッグデータなどは大型投資を要する。十分な資金的支持があってこそ持続的に発展できるものだ。
2018年、AI分野で大きな融資支援が続出した。4月は「商湯科技」がCラウンド融資で6億ドルを調達し、記録を更新した。同社は5月にもC+ラウンド融資で6.2億ドルを調達。これにより融資額は45億ドルを超え、世界最大の融資額となった。資本家のAIに対する情熱は相変わらずだ。
AI業界のスタートアップ創業者にとって、投資先を探すのは頭の痛い問題だった。陳寧氏は2014年、AIチップとアルゴリズム、技術を利用する企業を深圳で創業した。しかし当時の投資業界はAIに対し、コンセプト段階に留まっていると認識しており、良い見通しを立てていなかった。そのため「深圳雲天励飛技術有限公司」の創業者である陳寧氏と彼のチームは、自己資金で会社を維持せざるを得なかった。
2017年、AIの文字が初めて政府工作報告の中に登場した。国家戦略として上位に置かれたのである。大量の資金がAI分野に流入し始めた。融資金額が頻繁に記録更新されることになった。陳寧氏の会社もその波に乗り、順調にAラウンド融資、A+ラウンド融資をまとめた。現在はBラウンド融資をクローズさせるところだ。
現在、資本と創業者の有効な出合いのため、市場にはサービスプラットフォームが出現している。AI技術や製品にとって適切な応用の場面を探し当ててくれるこのプラットフォームは、投資家の注目を浴びている。
清華大学が発表した「中国AI発展報告2018」を見ると、2013年以降、世界と中国のAI産業の投融資規模はうなぎ上りだ。2017年、世界のAI投融資総額は395億ドル。融資案件は1208件だった。うち中国の投融資総額は277.1億ドル、融資案件は369件だった。中国のAI企業の融資総額は全世界のそれの70%を占め、融資案件も31%を占める。業界筋は、「投融資熱が冷めないのは、主にAIと業界の結合の見通しが明るいためだ」と話す。
AI企業の7割が明るい見通し 収益に不確定性も