「米ドルは今年の金融市場変動の最大の元凶である」。近頃変動している世界金融市場について、米ウォールストリートジャーナルは13日、このように論じた。過去1週間、多くの国、特に新興国の金融市場が危機に陥った。ロシアルーブルの対ドル為替相場はここ2年の最低水準に下落、トルコリラとインドルピーは数十年の最低に下落した。世界の多くのアナリストやメディアが、新興市場が1988年のアジア金融危機を繰り返すことを懸念している。ある分析によると、米国経済の上昇および米国による貿易戦は世界に影響を及ぼし、ドルが大量に還流したことで外資に依存していた国が「失血」状態になったことが今回の金融市場変動の主因である。
しかし、世界が懸念するのはトルコだけではない。トルコリラの下落は世界金融市場の変動につながり、特に新興国の通貨が急落した。13日、南アフリカランドは一時9.2%下落、ロシアルーブルは2016年以来の最低水準に下落した。そのほかの新興市場の通貨も下落している。
経済面が西側から期待視されているインドは、13日の大幅下落後、14日に1ドル70ルピーの過去最低を記録。ロイター通信は、インドルピーは14日に世界の新興経済圏に対する新たな懸念スポットになったと論じた。インド中央銀行は同日、為替安定に関与した。インドのスバス経済担当相は、「ルピー下落は外部の要因によるもの」と述べた。
今回の金融変動を最も恐れているのはアルゼンチンである。13日、アルゼンチンペソは3%下落し、再び過去最低となった。アルゼンチンは緊急に金利を500ポイント引き上げ、過去最高の40%にし、ペソを救うため5億ドルを売却すると宣言したが、14日さらに2.3%下落した。ロイター通信は、ペソ下落はインフレに拍車をかけ、通貨価値低下により多くのアルゼンチン国民が洋服、米、小麦粉、砂糖で物々交換をする事態になると論じた。