トルコはかつてゴールドマン・サックスからBRICSに次ぐ「NEXT11」の1国とされた。トルコの2011年の経済成長率は11%超、17年のGDP成長率も7.4%に達した。インドの経済成長率は近年「中国を上回る」とも言われている。これらの国が変動の中心になった理由は何か。英『フィナンシャルタイムズ』は、トルコなどの通貨危機の悲劇は自身が招いたものだと論じた。記事によると、世界金融危機後、10年にわたる金融緩和策と財政策により新興市場の債務は激増した。30の大型新興市場の債務総額の対GDP比は2011年末の163%から今年第1四半期には211%に上昇した。
新興国の金融市場変動は自身が招いたものという見解に対し、異論を唱える専門家も多い。新興国の債務は歴史的に見ても米日などの国と比較しても、それほど高くない。ある分析によると、2008年の金融危機で、米国は超緩和策をとって米ドルを下げ、米ドルを保有する世界各国に米国の債務を共同で負担させた。近ごろの米国経済の上昇、連邦準備制度理事会の利上げ、トランプ大統領の貿易政策により米ドル資本が急速に米国に回流している。外資の新興市場への流入は遅いが、撤退時は速く規模も大きいため、金融市場は変動しやすい。米国はドルの覇権的地域があるおかげで変動を免れただけでなく、ドルの「低価格で売り高価格で戻す」という方法で世界各国に影響を分散した。
ウォールストリートジャーナルは13日、グローバル市場の不確定性は米国の税収、貿易、政治面の政策による影響を大きく受けていると論じた。記事によると、米国は世界の安定の破壊者だが、ドルは世界の主導的立場にあるため、市場に不確定要素があってもドルはヘッジ資産として人気を集める。1日の取引規模が5兆1000億ドルに達する為替市場において、ドル取引は88%を占め、世界の外貨準備高10兆4000億ドルのうち、ドルは62.5%を占める。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年8月15日