先ごろ開かれた中国国際智能産業博覧会(スマート・チャイナ・エキスポ)で世界初となる超広帯域無線(UWB)可視光通信専用チップセット(CVLC820A、CVLC820D)が発表された。実用化されれば、電波を用いず光だけで通信が可能となる。
中国人民解放軍戦略支援部隊傘下の大学、信息工程大学連合の関連機関がこのほど研究開発に成功した可視光通信専用チップセット。中国の可視光通信産業が超広帯域無線(UWB)専用チップの時代に入ったことを示すものだ。大規模産業化とハイエンド市場の開拓が進むなか、技術的に最難関とされる壁を乗り越え、世界の可視光通信技術、産業環境と市場環境の発展を著しく向上させるものでもある。
可視光通信とは、半導体を使った照明(LED照明)の光源を利用した「光があれば通信可能」という新しい高速データ通信技術であり、今や各国が開発を競い合う次世代コア通信技術となっている。
中国工程院の院士、鄔賀銓氏は、可視光通信は近距離の超広帯域無線(UWB)によるワイヤレス・インタラクティブと環境にやさしいグリーン通信を提供するものだと説明する。バーチャルリアリティ(VR)を基本的な機能とするスマートサービス向けに10Gbps級UWBの家庭用情報ネットワーク環境を提供できるほか、5Gモバイル通信ネットワークの屋内に環境にやさしく、ユビキタスな(いつでもどこでも繋がる)、低価格の通信接続手段を提供できるという。