また、中国はSTEM(科学、技術、工学、数学)教育を大幅に拡張・改善し、STEM卒業生は世界最大規模になっている。研究開発と人材に大量の資源を投じ、中国はイノベーションの成果を得た。中国の新規特許申請件数は世界最多である。年間100万件以上の特許を取得する最初の国、世界知的財産権団体に「非凡」なイノベーションレベルと称される中国の特許申請件数は世界の約40%を占め、米国、日本、韓国の合計を上回る。
さらに、中国はベンチャー投資を増やし、新興技術の商用化を支援している。米国が引き入れる投資額は世界最大(約700億ドル)だが、中国のベンチャー投資額は2013年の約30億ドルから16年には340億ドルに増加し、世界に占める割合は5%から27%に拡大し、世界最速の伸びとなっている。中国の起業生態系は広く活力に溢れ、育成された科学技術分野のユニコーン企業は米国以外のどの国より多い。
米国では、中国のイノベーションと進歩は印象的だが、科学技術分野において中国は米国を超えたと断言するのはまだ早いという声も多い。昔の制度を継続する企業や学校、様々な厳格な規制などは想像力を失わせ、中国のイノベーション力を抑えている。
中国は巨大な工学人材備蓄と国内市場規模により半導体、製薬、商用機などの「戦略的」業界で有利な立場に立ったが、まだ遅れている。中国政府は40年で数百億ドルを投資したが、本土のチップ産業はまだ発展していない。
中国は「世界の工場」で、携帯電話やノートパソコンなど多くの機器を生産するが、チップの90%は輸入に頼り、多くを米国から輸入している。中興通訊(ZTE)の件で、中国のコア技術にはまだ弱点があることがはっきりとした。
中国が米国に代わり世界の科学技術大国になるという心配は大げさである。幸い、このような妄想は米国の保護主義派の政治家とタカ派の脳を支配し、世界最大の2つの経済圏間の貿易戦に影響している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」 2018年9月2日