ドイツ通信社は8日、「貨物列車が中国と欧州を結ぶ」と題した記事を掲載した。要旨は下記の通り。
国際定期貨物列車「中欧班列」は10年前の開始早々、順風満帆ではなかった。中国からの貨物列車は当時、欧州に通じる長い道で時おり見られるだけだった。しかし今や貨物列車の需要が拡大し、中国と欧州をしっかり結びつけている。
2008年1月、試験貨物列車が15日の走行を経て、ハンブルク貨物駅に到着した。ドイツの鉄道責任者は当時、これを「未来の産物」と比喩した。9カ月後、パソコンを積んだコンテナ列車がハンブルクに到着した。中欧班列は10年前の開始当時はまだ未来が予測不能だったが、今日はすでに力強く発展する事業になっている。
衣料品、電子デバイス、自動車部品、紙、消費財などは、中欧班列が毎日輸送する貨物だ。重慶市、成都市、鄭州市、武漢市、西安市から毎週、4−5本の列車が出発する。1万から1万2000キロの鉄道はシベリアやモンゴル北部を横断するか、南部ルートでカザフスタン、ロシア、ベラルーシを経由する。14−16日に渡り運転する。
国境では多くの時間が失われる。コンテナは2回積み直さなければならない。これはベラルーシ、ロシア、モンゴル、カザフスタンの鉄道規格が、欧州や中国よりも大きいからだ。機関車も何度も交換しなければならない。主要幹線は電気化されているが、国境地帯ではディーゼル列車が必要だ。しかしながら中欧班列の事業は急成長している。貨物列車は当時、不定期運行で、2011年の通年でトランクを900個しか輸送しなかった。しかしドイツ鉄道の最新の報告書によると、2018年には約9万個まで増える見通しで、3600両の列車が投入される。2020年には10万個に達する。
ドイツ鉄道貨物輸送部門の責任者は、これは中独及び中欧の貿易発展を象徴していると判断した。中国は2016年以降、ドイツにとって最も重要な貿易パートナーになっている。昨年の両国の貿易額は1870億ユーロにのぼり、この流れはさらに強まっている。
中欧班列は海運・空輸と競争している。貨物列車の速度は船舶のほぼ2倍だが、鉄道輸送のコストも50%上回る。同責任者は「私たち利用者にとって、時間とコストは重要な要素だ。私たちは鉄道輸送を通じサプライチェーンをサポートしようとしており、かつ鉄道はCO2の排出量が少ない。中欧班列の輸送を強化するため、ドイツはさらにユーラシア鉄道貨物輸送企業を設立する」と述べた。
それでは米中貿易紛争は中欧班列の貨物に悪影響を及ぼすだろうか。同責任者の答えは「ノー」だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年10月9日