国家統計局、中国科学技術部、中国財政部はこのほど、「2017年全国科技経費投入統計公報」を発表した。それによると、中国の2017年の研究開発(R&D)経費は、前年比1929億4000万元増(12.3%増)の1兆7606億1000万元に達し、伸び率が前年比で1.7ポイント増加した。R&D支出投入強度(R&D支出がGDPに占める比率)は再び記録を塗り替え2.13%に達し、前年より0.02ポイント増となった。
国家統計局社科文司の張鵬高級統計士は「中国のR&D支出は2013年に総量で世界2位になり、世界一の米国の約4割を占めた。2017年にはこの比率が6割弱に達する見通しだ。中国の2016年のR&D支出は1506億9000万元の純増で、同期のOECD加盟国の合計を上回った」と分析した。
R&D支出が高い成長率を維持し、投入強度が記録更新すると同時に、中国の研究開発投入構造が好転し、資源配置がさらに改善されている。中国の2017年の基礎研究経費は、前年比18.5%増の975億5000万元に達した。基礎研究経費がR&D支出に占める比率は5.5%で、前年比0.3ポイント増となり、2005年以降の最高水準に達した。
革新駆動発展戦略の実施の掘り下げ、革新型国家建設の推進に伴い、企業、政府系研究機関、大学という3大執行主体のR&D支出がさらに拡大し、伸び率も増加する見通しだ。2017年の企業のR&D支出の伸び率は前年比0.9ポイント増で、全社会のR&D経費の成長に対する寄与率は78.6%となった。企業は2.0ポイント増、9.1%で、政府系研究機関は10.7ポイント増の10%。