中国商務部がこのほど発表した「中国対外貿易情勢報告(2018年秋季)」(以下、報告)によると、2018年1-9月の中国の対外貿易は安定の中で改善に向かう傾向が続き、年間貿易額の成長維持を力強く支えた。
「報告」によると、18年1-9月の貨物輸出入総額は人民元建てで22兆2800億元と、前年同期より9.9%増加した。全体として、中国の対外貿易は安定の中で改善に向かう傾向が続き、成長率は全体的に安定推移、構造は持続的に改善、原動力の転換が加速し、発展の質と効率は着実に向上した。「報告」は、中国の輸出入の安定成長維持について、グローバル貿易の持続的発展・国内需要の安定成長・一連の貿易安定政策の効果発揮・輸出入企業の活力増強・新業態新モデルの急速な発展など、ポジティブな要素を主因として挙げた。
「18年1-9月、中国の対外貿易は非常に目立った動きが見られた」。商務部研究院対外貿易研究所の梁明所長は、「1つの側面として、対外貿易の規模が過去最高を更新し、1-9月は輸出入総額・輸出額・輸入額いずれも2014年以来の最高額を更新した」と指摘。「もう1つの側面は、対外貿易の構造が持続的に改善していることだ」と指摘。1-9月は、中国の貿易構造が全面的に改善した。一般貿易の輸出に占める割合が前年同期より2.2ポイント拡大し、機械電気製品の輸出に占める割合が同0.7ポイント拡大した。このほか、貿易相手国の市場分布がよりバランスがとれたものになり、「一帯一路」関連国の中国輸出入総額に占める割合が27.3%に達し、同0.8ポイント拡大したという。
梁明所長は、「2018年年間の中国対外貿易額は過去最高を更新する見通し」とする一方で、来年については「中国の対外貿易が直面する環境は一段と不透明感が増し、安定成長にかかる圧力が比較的大きい」とみている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年11月20日