米FRB議長のパウエル氏は先ごろ、金融政策には定められたルートがなく、米国の実質金利が中立金利に近づいたとの見解を示した。
この発言は、以前の「金利は中立水準まで『まだ長い道のり』がある」に比べると若干やわらかい表現となる。業界関係者は、米FRBの利上げが前倒しで終わる可能性を示唆していると分析。ある市場関係者は、来年の利上げが2度に減って、来年半ばに米国の利上げが前倒しで終わる可能性もあり、中国人民銀行(中央銀行)による金利引き下げを阻んでいた最大の制約が和らぐとの見方を示している。
中信証券固定収益チーフアナリストの明明氏は『証券日報』記者の取材に対し、米国の利上げ圧力が弱まれば、中国の金融政策の制約が大きく減るとの見解を示した。国債とMLF(中期貸出ファシリティー)の金利差縮小、マネーサプライM1とM2の伸び率のかい離、実質貸出金利の高止まり、社会融資総量とM2の伸び率の乖離に伴い、中国の金利引き下げ政策の必要性が高まり、そのタイミングが迫っていると説明した。