中米首脳会談で、双方が関税上乗せを回避することで合意したという情報が伝わると、アジア太平洋・欧州・北米など世界の株価が昨日高騰した。中国の上海総合指数と深セン成分指数はさらに、3%前後の強い伸びを示した。人民元対米ドルレートも大幅に上昇し、1日で1%以上の元高となった。貿易戦争はこれまで世界金融市場の変動の一大「元凶」とされ、世界の経済成長に影を落としていた。今や世界1・2位の経済国による貿易の「休戦」に伴い、世界の市場と各国経済界の関係者が喜びの笑みを浮かべている。
中米双方の作業チームは今後、両国首脳が形成した原則的な共通認識に基づき、上乗せされたすべての関税を取り消す方向で協議を急ぎ、具体的な合意事項をまとめる。中国外交部の耿爽報道官は3日の記者会見で、「中国側は中国の新たな改革開放のプロセス、国内市場及び国民の需要に基づき、市場を開放し輸入を拡大し、中米経済・貿易分野の関連問題の解消を推進することを願う。中国側は同時に、双方の互恵・ウィンウィンの具体的な合意の形成は、中国が米国側に対して関連する積極的な措置を講じる基礎及び前提であると指摘する」と表明した。
今後90日の交渉と協議は多くの困難に直面するが、米国も具体的な合意の形成を切に願っていることは間違いない。現地時間3日、帰国したトランプ米大統領はツイッターで続けざまに投稿し、「アルゼンチンでの習主席との会談は非凡なもので、中国との関係に大きな進歩があった」と称賛した。
中米貿易の緊張緩和は、貿易戦争に反対する商業団体から特に歓迎されている。「Washington Examiner」によると、関税上乗せに反対し続けてきた貿易協会は、「休戦」が今後の交渉の進展を促すことに期待感を示した。米国の大企業の経営者でつくる「ビジネス・ラウンドテーブル」は、米中首脳会談の結果は喜ばしいと表明した。米国商工会議所国際事業担当者は、関税取り消しは正しいやり方であり、有意義な改革をもたらし得ると述べた。全米小売業協会はトランプ政権の決定が「外交のチャンスをもたらした」と称賛し、関税を徹底的に取り消す決定を促すことに期待した。
「これはドローだ」ウォール・ストリート・ジャーナルは3日、金融コンサルタントの発言を引用し、次のように伝えた。トランプ政権の関税の標的になっておらず、中国の報復の標的にも指定されていない製品のメーカー(アップルの中国を中心とするサプライチェーンなど)は、貿易の休戦に一安心した。アップルの主要サプライヤーの取締役は、「緊張緩和は必要だ。その他のすべての措置が双方に、余りにも大きな影響を生むからだ」と述べた。アジア各国の政府は自国経済の被害、あるいは中国と米国のどちらかの選択を強いられることに懸念を強めている。マレーシアのレイキン国際貿易産業大臣は、米中貿易の膠着は「世界経済のバリューチェーン全体」を脅かすと述べ、膠着解消の可能性が出てきたことを喜んでいると表明した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2018年12月4日