「域内のインフラ相互接続と経済一体化を促進するために、中国はアジアインフラ投資銀行(AIIB)の設立を提唱し、ASEAN諸国を含む域内の発展途上国のインフラ整備向け資金援助を提供したい」。2013年10月、習近平主席はインドネシア訪問中にAIIB設立の構想を提起した。このイニシアチブは、国際社会から幅広い支持と参画を得た。
AIIBは2015年12月に正式に発足し、中国が提唱して設立された最初の多国間金融機関となった。今年11月の時点で、AIIBの加盟国数は設立当初の57カ国から87カ国に増えた。
「AIIBは中国の40年にわたる改革開放政策の重要な産物だ」。AIIBの金立群総裁は「中国は各国から学んだ経験と中国の具体的な実践とを融合し、AIIBの設立を創造的に提唱したが、その目的は世界の低所得国の発展を助けることにある」と語った。
AIIBは2016年1月の開業以来、迅速に投資を展開し、34件のプロジェクトを承認、承認済みの投資額は70億米ドルに上る。エジプトでは、砂漠にある村をエジプト初の太陽光エネルギー村に改造した。フィリピンでは排水システムと揚水ポンプ場を改善することで、マニラの21万世帯97万人が洪水の脅威から逃れられた。タジキスタンでは、 3つの発電ユニットの効率向上で、冬の電力不足の7割を補うことができる見通しだ。バングラデシュでは天然ガスの生産と輸送効率の向上で、1億6000万人のエネルギー不足問題を解消。インドのグジャラート州では、1060の村の道路を修繕し、800万人の交通の利便性が高まった。AIIBは、世界の何億人もの人々の生活を改善しており、「点石成金」(石のようなつまらないものに手を加えて金のような立派なものに改める)発展の奇跡を創造し続けている。