Luckin Coffee(瑞幸咖啡)の財務データが公表された。2018年1~11月のLuckin Coffeeの売上高は3億7500万元、粗利益は4億3300万元の赤字、純損失は8億5700万元。
この数値は多くの人を驚かせたが、理にかなってもいる。過去数年、手当支給により市場を獲得した企業は多いが、多くのブランドが一花咲かせた後に利益モデルを見出せずに経営難に陥っている。
赤字計上が公表されてすぐ、同社は上海の新世界大丸百貨店に支店をオープンし、1年で2000店オープンという目標を早くに達成した。非尋常な速さで拡張する瑞幸について、消費者の間では次の「1本の木で支えきれない」インターネット会社になるのではないかという懸念が持ち上がっている。
非尋常な手当支給と同時にチャージを奨励
多くのインターネット企業と同様、瑞幸も創設当初、大々的なマーケティングと手当支給によって市場を獲得した。一夜にして各大都市の住宅街、オフィス街の看板に瑞幸が登場した。「1杯目無料」の誘惑とクーポン券により、瑞幸はユーザーを急速に増やしていった。
12月25日、瑞幸の2000号店が上海にオープンし、1年で2000店オープンという目標を早くに達成した。瑞幸によると、料金チャージした消費者は1200万人、コーヒー販売量は8500万杯に達し、直営店は22都市をカバーしている。
瑞幸のアプリを使用したことがある消費者の多くが1杯目無料や38%オフなどの割引に引きつけられたが、割引がなくなるとお得感はなくなる。消費習慣をつけさせるため、瑞幸はこのような心理を利用してチャージ方式の「コーヒーマネー」をリリースした。コーヒーチケット2枚チャージで1枚獲得、5枚チャージで5枚獲得できる。
瑞幸は創設当初は出前業務に力を入れていたが、消費者に優れたサービスを提供できず、のちに多くの店舗を開設した。しかし、多くの客がテイクアウトしている。また、多くのユーザーは、中国のコーヒー文化はまだマイナーで、好奇心から購入する人が多く消費習慣になっておらず、思うような効果を得ることは難しいと考える。
瑞幸はスターバックスの出前や連咖啡(Coffee Box)などの強敵との競争に直面していると同時に、手当に極度に依存しているため、価格以外に目立った優位性はない。これも「資金が途絶えたら、瑞幸はすぐに消えるのではないか」と思われる理由である。
また消費者は、瑞幸のアプリにチャージし、業務を突然停止した場合にそのお金はなくなるのではないかと懸念している。
新ラウンドの資金調達を終え、瑞幸には4億ドル以上の資金がある。これも落ち着いている理由の1つだろう。瑞幸はスターバックスをベンチマーキングの対象にしているが、消費者は、手当で市場を獲得し出前がメインのコーヒーブランドである瑞幸はシェア自転車を含むインターネット会社に近いというイメージを持っている。先日のOfoの状況で消費者は割引競争の失敗を目にし、瑞幸に対しても疑いの目を向けている。
食品産業アナリストの朱丹蓬氏は、コーヒー市場の競争はまだそれほど激しくなく飽和状態になっていないため、瑞幸が短期内に資金チェーン断裂に陥ることはないと見ている。朱丹蓬氏は「瑞幸の1人あたりのユーザー獲得コストは70元前後でインターネット企業の平均300元より低い。そのため、現時点で大きなリスクはない。マクロ的な視点で言えば、中国コーヒー市場の利益は将来、倍増するだろう」と話した。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月3日