今になって人工知能(AI)を導入する会社は遅れている。スタンフォード社が2019年の89カ国の高官約3000人を対象に実施した調査で、企業のAI利用が過去4年で270%増加し、2018年だけで37%増加したことがわかった。2015年の企業のAI利用の10%増と比べて、この数字が増加し続けるのも納得できる。2022年には企業向けAIの市場価値は61億4000万ドルに達する見通し。
AIは企業に欠かせなないものに
マッキンゼー・グローバル・インスティテュートによると、AIは労働力市場に変化をもたらし、今後10年で国内総生産を1.2%成長させ、12年内に20~25%、世界で13兆ドルの経済利益をもたらすことが予想される。
ガートナーの最新報告によると、89カ国の3000人のCIOを対象に実施した調査で、収入が15兆ドル、IT支出が2840億ドルに達する企業のAI利用が過去1年で3倍になったことがわかった。
これはデロイトが秋に発表した第2部企業状況綱要と一致している。高官の42%が「AIは2年内に極めて重要な存在になる」と考える。また、自然言語処理はその他のカテゴリの増加を上回り、企業の62%が同技術(前年は53%)を採用している。機械学習は2位で58%(前年比5%増)を占め、コンピュータビジョンとディープラーニングはそれぞれ57%と50%(17年比16%増)だった。
AI関連人材が不足
進展しているが、企業には機械学習の障害も抱えている。AIの専門知識を持つ人材が不足しているという試練である。
ガートナーの調査で、回答者の約54%が最大の試練は「技術の差」としている。これは昨年末のタタ・コミュニケーションズの報告と一致し、同報告でも適切な技術と人材が不足していることがわかった。
デロイトの報告によると、回答者の20%以上がAIソフト開発者、データ科学者、ユーザー体験デザイナー、変革管理専門家、プロジェクトマネージャー、ビジネスリーダー、専門家が不足していると回答。
フォワードは、「リーダーの地位を維持するには、CIOに創造力がなくてはならない」との見解を示す。AI人材がいなければ、統計やデータ管理ができる従業員に投資し、育成するという選択肢もあるという。また、一部の機関は業務パートナーと作業内容を共有している。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月23日