信用格付け業界に海外機関が初めて参入 中国金融市場の国際化が加速
中国人民銀行(中央銀行)営業管理部は28日、米大手格付け機関スタンダード・アンド・プアーズ(S&P)グローバルによる北京での全額出資子会社「S&P信用評級(中国)有限公司」設立に関する申請を受理したと発表した。
中国銀行間市場取引商協会も同日、S&P中国が銀行間債券市場で債券への格付け業務を実施することを認めると発表した。これにより、S&Pは中国の信用格付け業界への参入が正式に認められたことになる。
2017年より、信用格付け市場の開放に関する政策が打ち出され始めた。人民銀は2017年7月、国内外の格付け機関の銀行間債券市場参入に関する要件を明らかにしたが、これはフィッチ・レーティングス、S&P、ムーディーズの3つの主要国際格付け機関を含む海外格付け機関も単独出資で中国市場に参入できることを意味する。これまでは、3つの主要国際格付け機関も合弁または協力といった形でしか中国の格付け業界に参入できなかった。
細則も速やかに発表された。2018年3月、中国銀行間市場取引商協会は主に銀行間債券市場に新たに参入を申請し信用格付け業務を行う機関を対象に「銀行間債券市場信用格付け機関の登録評価規則」を発表した。国際信用格付け機関については、海外法人または国内法人を主体とした方式で登録申請が認められる。平等待遇の原則に基けば、国内外の信用格付け機関の登録は同一の要件とフローに従い、「一視同仁」を実現する必要がある。
人民銀の関係者は、「信用格付け業界の対外開放は、金融市場対外開放の安定的拡大の重要な一環だ。中国金融市場の国際化が加速するなか、国際格付け機関の参入は、海外投資家の人民元建て資産ポートフォリオ多様化のニーズを満たすとともに、中国格付け業界の品質向上を促し、中国金融市場の秩序ある健全な発展にポジティブな意義を持つ」としている。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年1月29日