インド初の国産準高速列車「バンデバラト・ エクスプレス」が最近、国際メディアから注目されている。インドがSNSで投稿した同列車の試験運行及び17日から始まった正式な運行の様子、インドメディアが発表したさまざまな「アクシデント」により、人々は再び「インド製」について熱心に議論し、皮肉る声も混ざっている。インド製が中国製に代わり、新たな「龍と象の戦い」を展開するという声もあるが、実情は異なっている。
インド製、モデルチェンジの需要
モディ首相は就任早々の2014年9月25日、インド製の野心あふれる計画を打ち出した。インドを世界製造業センターとし、製造業の対GDP比を10年内に17%から25%に上げるとした。
インドの経済発展に伴い、産業構造の乱れ、高い失業率などの問題が顕著になっており、サービス業の雇用創出能力も限定的だ。成長著しい、生産高への寄与度が高いソフト、金融、通信などのサービス業は雇用枠が少なく、卸売、小売、運輸などの伝統的なサービス業は多くの雇用を生むが、GDPへの貢献は限定的で労働力の素養の向上を促さない。これによりインドの巨大な人口ボーナスを発揮するのが困難になっており、産業構造の調整と雇用機械創出が必要になっている。そのためモディ政権は再びインド製を強調し、そのため税制を統一し、国内のビジネス環境を改善し、関連労働法案を改正し、外資参入条件を緩和している。さらに「技能インド」「創業インド」「デジタルインド」「スマート都市」などの関連措置を打ち出している。
モディ政権の力強い推進、世界バリューチェーンの調整、国内マクロ経済の好転などの影響があり、インド製は数年の発展を経て一定の成果を手にした。インド中央銀行のデータによると、2015-16年度のインド製造業の成長率は9.3%で、前年度の5.5%、前々年度の5.6%を大幅に上回った。
しかし国内外のさまざまな制約を受け、インド製の現在の業績はモディ政権の当初の目標には届いていない。国際的な角度から見ると、国際市場の需給バランスの乱れ、「脱グローバル化」、西側諸国の「再工業化」の影響を受け、インドの外資導入は先進国及びその他の新興市場国との二重の競争に直面することになる。