渤海湾西側の天津市と河北省の間の約640キロの海岸線の南北には秦皇島港、唐山港、曹妃甸港、天津港、黄驊港などの貨物取扱量が1億トンを超える港が分布している。ここはかつて重複建設、無秩序な競争が存在したが、北京・天津・河北協同発展により、天津市と河北省の港が連携し、世界クラスの港群という夢を支えている。
ライバルから仲間に、競争から競合に。港群の形成は協力の大きな動き。
共存の新たな章の開始
過去、河北省の曹妃甸総合保税区にある文峰木業産業パークが輸入する原木や板材は、天津港で荷揚げしてから自動車で曹妃甸まで輸送する必要があった。
北京・天津・河北協同発展が始まる前、物流過程が複雑、輸送効率が悪い、企業の総合コストが高いことに業者は悩み、問題の解決に苦難していた。
天津市と河北省の港の努力により、2018年1月に天津と曹妃甸総合保税区碼頭を結ぶ渤海内支線が開通した。以後、輸入コンテナは天津港幹線で荷揚げし、支線船で曹妃甸まで直接輸送できるようになった。
その後、天津港・曹妃甸港区に貿易コンテナ定期船航路が開通。17のコンテナと34台の並行輸入自動車を積んだ「鴨緑江」船が天津自由貿易区天津港エリアから曹妃甸総合保税区碼頭まで行けるようになり、天津港で通関手続きをせずに輸入コンテナを曹妃甸港まで輸送できるようになった。
一連の変化に、曹妃甸総合保税区港務有限公司の市場経営部責任者の斉建輝氏も喜んでいる。彼は、「これは天津自由貿易区の機能が河北港に拡張したことを意味する。並行輸入自動車を例に挙げると、曹妃甸総合保税区で税関手続きを直接行えば、物流コストを4分の1削減でき、非常に便利」と話す。
天津港集団公司生産安全部の孟慶柱副部長は、「これを基礎に、黄驊港と唐山港の共同出資でコンテナ埠頭会社を設立し、自動車や鉱石などを並行輸入し、天津・河北港間のコンテナ船航路の構築に努める」と展望を語った。
天津と河北は内陸が交差し、1億トン規模の港が隣り合う「ライバル」だった。
5年前、北京・天津・河北協同発展が国家戦略になり、天津北方国際水上運輸中心区の位置付けが明確化され、河北省の港と協力し、差異化発展することになった。以後、天津と河北の港は「パートナー」になり、共存している。