「二つの人生」 昼間は「サラリーマン」夜は「経営者」
東京の銀座にある寿司屋の店長は、日中はスーツを着たサラリーマンで、夜になると調理衣に着替えて寿司を握っている。
岡田壮右さん(42)は、東京のある電子部品企業の従業員で、夕方6時に退社すると、帰宅するのでも、他のサラリーマンのように同僚と飲みに行くのでもなく、銀座にある会社からそう遠くない場所にある寿司屋に行き、スーツから調理衣に着替え、客を迎える。岡田さんの店は、それほど大きくないものの、毎日多くの客でいっぱいになる。
この店は、岡田さんが10年に親から継いだ寿司屋だ。岡田さんはこの店を継いだ後も会社の仕事は辞めずに、副業として経営を続けている。出張や残業の日以外、岡田さんはほとんど毎日、退社後に店に足を運び、閉店後も他の従業員と一緒に掃除をしている。家に帰りつくのは夜11時で、土曜日は1日中店に出ている。そのような生活は既に9年続いているが、岡田さんは疲れを感じることなく、むしろ楽しんでいる。
「昼と夜では、全く畑違いの仕事をしていると、とても不思議な気分になる。副業があることで、身心ともにリフレッシュできている」と岡田さん。
岡田さんが副業として寿司屋を経営することを、会社も応援してくれている。そして、同僚たちもよく食事をしに店におとずれるのだという。岡田さんは取材に対して、「日本の多くの企業が依然として従業員の副業を禁じているが、バランスさえきちんと取っていれば、副業が本職の仕事に影響を及ぼすことはなく、自分のプラスのエネルギーが刺激されると思う」と話した。