中国人の果物消費が多くの国を喜ばせる
中国で中産階層が増加し続け、輸入果物の人気も高まっている。チェリーのほか、見た目が変わっているアボカドや独特な味をしたドリアンも人気がある。
アボカドについて言えば、中国の輸入量はわずか数年で1万倍以上増加した。赤くて甘いチェリーはネットユーザーが「経済力」を判断する新たな基準になっている。また、タイやマレーシアまで現地のドリアンを食べに行く人もいる。
中国の美食家たちの消費ニーズの増加に伴い、海外の農場経営者は忙しくなり、収入も増加している。
チリの果物農家が次々とチェリー栽培に鞍替え
中国のサクランボと異なり、チェリーは主に米国、カナダ、チリなどの米州で生産され、中国はチリ産チェリーを最も多く輸入している。
米国やカナダなどの国のチェリーは5月から8月にかけて販売され、中国本土のサクランボの時期と重なるが、チリ産は11月から1月まで、中国の春節前後の中国国内の果物が少ない時期に販売される。
チリ産チェリーが中国で人気を集めたのは、両国の貿易関係のおかげである。2017年、中国とチリは自由貿易協定グレードアップ版を締結し、双方の97%以上の商品がゼロ関税を実現した。チェリーもその1つである。
減税・税額免除によりチリ産チェリーが安くなり、中国でチェリー好きが増加した。
『The Economist』の記事によると、中国のチェリー需要が増加したため、チリのSan Francisco Lo Garces社は世界最大のサクランボメーカーになり、その生産量は15年で25倍に増加した。
また、中国の需要のおかげで、チリの2018年のチェリー輸出額は前年の2倍の11億ドルに達しあ。この規模はワイン輸出額の3分の2弱に相当する。
チェリー栽培の利益は一般的な果物の数倍であるため、ほかの果物を栽培していたチリの農家が次々とチェリー栽培に鞍替えした。彼らは、中国の潜在的需要によりチリ産チェリーの輸出量はさらに増加すると考えている。
チリ果物輸出協会傘下のチリチェリー委員会の報告によると、2018~19年の輸出シーズン1周目のチリから極東市場(主に中国)へのチェリー輸出量は前年比17%増加した。