国際コーヒー機関(ICO)の統計によると、中国のコーヒー消費量は年間15%程度のペースで増加している。世界平均の2%を大幅に上回るペースであり、2025年までに中国は1兆元市場のコーヒー消費超大国に成長するとみられる。
この巨大市場を取り込もうと、世界規模で展開する大手コーヒーチェーンも中国での出店を加速。特に一線都市と呼ばれる北京や上海などの主要大都市だけでなく、地方市場の開拓にも力を入れている。
中国でコーヒーの需要は年々増加しているものの、こうした世界的な大手チェーンに比べ、ローカルブランドを展開する企業は市場競争で大きな成果を上げられていない。コーヒーの需要が増加していても、店舗でのコーヒー消費の増加に繋がっていないのが現状だ。
もともと、コーヒーの需要と店舗での需要とは異なるものだ。コーヒー好きは豆から淹れてゆっくり味わうのに対し、せわしない都会人は店で早く手軽に1杯飲めればいいし、無糖や低糖ならなおさらだ。時間を大切にし健康に気をつかう若年層の場合、プライベートでも仕事の付き合いでも、わざわざお酒を飲まずともコーヒーだけで十分だ。