中国は5月1日付で、都市部労働者基本養老保険料率を引き下げる。
湘財証券研究所マクロ研究院の祠宗超氏はこのほど、『証券日報』記者の取材に対し、今回の社会保険料納付政策の調整には保険料率の引き下げだけでなく、納付基準の引き下げも含まれると話した。企業の負担が軽減し、特に民営企業が生産・経営コストを引き下げることができるほか、低所得層の可処分所得が増え、消費成長の牽引につながると説明。これらを踏まえ、社会保険料納付の基数引き下げで、社会消費財小売総額の伸び率が緩やかに回復する可能性があるとみている。
「今回の企業の社会保険料率の引き下げは、企業の社会保険料の納付負担を大幅に減らし、企業の人件費を大きく緩和する」。民生銀行研究院研究員の郭暁蓓氏は『証券日報』記者に対し、中国政府がここ数年にわたって消費刺激の方策を検討し、社会保険料率の引き下げや可処分所得の増加がその直接的な方法の一つになるとの見方を示した。
2018年の経済成長に対する消費の貢献率は76.2%で、経済を牽引する三頭立て馬車の先頭を走っており、消費拡大の重要性は言うまでもない。郭暁蓓氏は、消費拡大には3つの問題を解決する必要があると指摘した。一つ目は、可処分所得の増加で、国民に消費能力を持たせること。二つ目は、福利保障改革を進め、国民の後顧の憂いを無くし、積極的な消費を後押しすること。三つ目は、消費市場の供給を増やし、消費者の選択肢を拡大すること。なかでも、所得は消費の主要な決定要因であり、消費需要が不足する問題を根本的に解決するには個人所得の向上が必要で、減税・費用引き下げは可処分所得を増やす効果的な措置になると説明した。