実際に市場参加者は、人民元レートの双方向変動に対する適応力を強めており、昨年以降の為替相場をみると、トレンド期待は一方向に傾いていない。例えば、対米ドル人民元基準値が一時「7」という大きなポイントに近づいた後に再び反転したことから、市場期待は分かれていることが分かる。
今後の値動きについて業界関係者は、米FRBがこのところ利上げを一時停止ていることが、人民元レートを支える要因になっていると指摘。米主要指標を分析すると、第2四半期の米国経済は引き続き安定、もしくは小幅な成長トレンドを保ち、米ドルの強含みが続くとの見方を示した。仮に米ドルの高止まりが続けば、人民元レートが調整する可能性があるが、全体的にはコントロール可能な調整幅に収まる見込みとしている。
「短期的に、外部の不確定性が高まり、人民元レートの変動が拡大する可能性がある。ただ、昨年同期に比べ、現在のファンダメンタルズは、人民元レートの強い支えになるだろう」。中金公司研究部は発表したレポートでこのような見方を示した。