アイオワ州大豆協会のコーク・リッツCEOは、「貿易戦において、米国の農民、特に豆農家が真っ先に被害を受けた。彼らがあとどれくらい耐えられるかわからない」と、自らの体験をもとに語った。コーク・リッツ氏の判断はデータに基づくものである。
パデュー大学農業経済学のウォーレンス・ティナー教授は自身の研究結果を以下のように説明した。標準的な貿易の弾性値とより高い貿易の弾性値の2種類がある中、米国が中国に輸出する大豆の下げ幅は48%と91%となっている。中期的に見て、米国は中国大豆市場の69%を失う可能性がある。EUやラテンアメリカなどの地域がある程度代わりの役目を果たしても、それ以上に巨大な中国市場とは比べ物にならない。
この貿易摩擦が続くにつれ、米国の農場と家庭は苦難に直面する。米国の農民は関税の引き上げより、国際市場で自身の商品を販売することを望んでいる。米国の豆農家は、「今年どれほどの大豆を栽培すべきか。保管している大豆を低価格で売り出すべきか」という苦しい選択を迫られている。
米大豆協会役員会メンバー・イリノイ州豆農家のロバート・シェーファー氏は『環球時報』に対し、「我々は40年かけてようやく中国市場を獲得した。早急に関税を廃止しなければ、この市場の開拓に努力してきた人は一生回復を目にできないだろう」と話した。1年前、記者はロバート氏が経営するイリノイ州イルパッソの農場を訪れた。当時、米国が中国からの輸入商品に追加関税をかけたため、中国は大豆を貿易報復リストに入れざるを得なかった。ロバート氏は不安だったが、まだ楽観視していた。1年後、ロバート氏は「根気がなくなった。豆農家たちのストレスはますます大きくなっている」と述べた。