米国経済が保護貿易主義によって「再び偉大になる」ことは困難=専門家

米国経済が保護貿易主義によって「再び偉大になる」ことは困難=専門家。

タグ:中米貿易摩擦 

発信時間:2019-05-22 10:05:05 | チャイナネット | 編集者にメールを送る


 三、保護貿易は製造業回帰の妙策ではない。

 

 保護貿易主義を通じて「国を閉鎖する」ことは、製造業の米国回帰につながらない。米国商工会議所の統計によると、仮に中米貿易の緊張が持続的に高まった場合、産業の移転を検討する企業は全体の19%のみで、移転先の候補地はアジア新興国、アジア先進国、欧州、メキシコ・カナダがそれぞれ40%、11、9%、10%で、米国はわずか17%にとどまる。むしろ、米国のハイテクを中心とする国際企業は、トランプ大統領の保護貿易主義が原因で、海外事業の再建や拠点拡大を加速している。

 

 四、米国のグローバル経済主導力が著しく損われた。

 

 第二次世界大戦後のブレトンウッズ体制の構築後、米国は強大な実力をもって、世界に公共製品を提供することで、経済制度の覇権を握ると共にそこから巨大なメリットと利益を得てきた。しかし、トランプ政権は、国際的な責任をこれ以上担おうとせずに世界の利益独占を図り、発展途上国の経済格差を顧みず、ひたすら「公平、対等」を理由に、各種の国際組織からそそくさと脱退した。WTOは、米国による上級委員会裁判官任命に対する妨害で、空前の存続危機に陥っている。

 

 また、米国がパワハラにより貿易相手国の譲歩をたびたび迫ったことが、各国の強烈な不満と報復を引き起こした。特に米国は、米ドルと金融システムの主導的地位を利用して、みだりに他国へ経済制裁を行い、米ドルの国際的信用を大きく損ねた。世界各国が米国経済金融システムに頼るのは信任があるためで、米国の信用に問題が生じた時には全てが変わるだろう。(筆者:中国現代国際関係研究院米国所副研究員 孫立鵬)


  「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年5月22日


 






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