「米国が貿易戦争をけしかける真の狙いは、世界における「アメリカ・ファースト(アメリカ第一主義)」の収益構造を構築することにある。他の国の発展、中でも中国が発展して強大になるのを阻むことにある」
中国人民政治協商会議全国委員会外事委員会の委員で、駐欧州連合(EU)使節団の前団長を務めた楊燕怡氏は20日、本紙記者の特別取材に応じ、次のように述べた。
米国が貿易戦争を激化させ、米中両国の比較優位の原理に基づく自由貿易のルールに背き続けたとしても、「人を傷つけても何の得にもならない」という結果を招くだけだ。世界経済の回復、グローバル・サプライチェーンとバリューチェーンの安全、多国間貿易システムなどに負の影響をもたらすことになろう。
米国の現政権は、「アメリカ・ファースト」に「メイク・アメリカ・グレート・アゲイン(米国を再び偉大に)」といった新スローガンを掲げては、単独行動主義的傾向を強め、超大国の優越的地位を利用して、世界に覇権を唱えている。国際機関や国際協定から次々に離脱し、関税という棍棒を振りかざしては相手国をゆすり、気まぐれな言動を繰り返したことで、国際貿易は「ゼロサムゲーム」と化した。
米国が一方的に貿易摩擦を激化させたことで、米中通商協議は物別れに終わった。こうした事態を招いたのは米国が覇権主義的な動きを強め、極限までの圧力をかけ続けたからであり、こうしたやり方は多国間貿易のルールに基づかないもので、中国と国際社会から反発を招くことは必至だ。
一方的に貿易戦争を引き起こすなど、米国は全くもって信用するに足りない。こうした理不尽な行いに対し、中国は断固として自らの合法的かつ正当な権益を守る決意がある。米国は他にも世界のあちらこちらで貿易摩擦を引き起こしては、単独行動主義的な振る舞いを強め、保護主義という棍棒を振りかざしては、多国間貿易体制に刃向かうなど、国際社会から強い反発を招いている。