中国の大都市における外資導入状況がこのほど明らかになった。上海市や広東省、四川省成都市など多くの都市では、プロジェクト件数や投資額もさることながら、先進製造業や近代的サービス業、ハイエンド領域の研究開発関連のプロジェクトの多さが目立った。中国の外資導入利用政策の調整と密接に絡んでいるとの見方がある。
中国の外資導入の取り組みは、規模の拡大に重きを置く段階を過ぎており、次の段階では質の向上を踏まえた上で新たに進展し、サプライチェーンにおけるハイエンド領域の比重拡大をめざす段階に入っている。
上海市政府は5月30日、計38件、総額492億元に上る海外企業による投資プロジェクトの契約調印式を開催した。この38件の内訳をみると、金融サービスやハイエンド研究開発のプロジェクトが目立つ。米銀大手JPモルガン・チェースが8億元を投じて上海に中国初となる外資過半出資の合弁証券会社を設立する案件、独保険大手アリアンツが100億元を投じて上海に中国初となる外資過半出資の合弁保険会社を設立する案件、スチレン系製品の製造を手がけるスイスの化学大手イネオスが約19億元を投じて上海にアジア太平洋地域本部を新設する案件――などが挙げられる。
注目すべきは、5月6日に第30弾となる27社の多国籍企業による地域本部・研究開発拠点が設立が認められてからひと月以内に、上海でまたも新たな外資プロジェクトが相次いで契約された点だ。
「中国網日本語版(チャイナネット)」2019年6月5日