「還暦」を迎えた中国の国民的お菓子・大白兎ミルクキャラメルが、最近は業界の枠を超えた人気者になっている。リップクリームやアイスクリームといったコラボレーション商品に続き、ミルクの香りの香水やハンドクリームまで登場し、発売から10分で1万個以上売れたという。「北京日報」が伝えた。
気づかない間に、多くの国産品が面目を一新していた。記憶の中にある姿を覆すようなデザイン、想像を超えたデザインにより、国産品は新たな姿で私たちの前に現れた。故宮と化粧品のロマンティックな出会い、李寧のアパレル「悟道」シリーズに施された伝統的刺繍、回力のスニーカー、老幹■(女へんに馬)のパーカーなどが世界のファッションウィークに登場した……多くの国産品ブランドは「古くさい」、「低価格」、「安物」といったこれまでの印象を打破すべく力を入れ、業界の枠を超えたクロスオーバー、ミックス・アンド・マッチの提案、クリエイティビティある挑戦に大胆に取り組み、伝統とファッションを融合させた一連の商品を打ち出し、華麗な変身を遂げた。奇抜にみえる構想は、実は伝統文化や昔の記憶に対する現代的な表現であり、消費者に強い共感を呼び起こし、こうして無数の人気商品が生まれ、濃密な「国潮」(中国トレンド)という新たなトレンドが形成されていった。「新国産品の時代」が来たと感嘆する人も多い。
次から次へと押し寄せる「国潮」の波が、私たちに次のことを気づかせてくれる。国内メーカーは技術が低いわけではなく、消費者は国産品を好まないわけではない。大事なのは供給側がしっかり努力して、今の消費者のニーズに合った商品を打ち出す必要があるということだ。過去を振り返れば、定番と言われる国民的ブランド、たとえば飛鴿、永久、百雀羚などはいずれも国民のニーズと深く結びついたもので、この結びつきが往年の人気の秘密だった。時は流れ、中国人の衣食住移動には巨大な変化が訪れ、消費ニーズも上昇を続け、商品も新陳代謝が求められるようになり、国産ブランドは実力を発揮する絶好のチャンスを迎えた。数十年にわたり研鑽を重ねてきた製造技術の熟練度と評価が上昇を続ける一方で、より自信にあふれた次世代の消費者が育ちつつあり、「西洋崇拝」の意識がますます弱まっているからだ。国産品をもっと流行らせることができないのではなく、カギはメーカーの向上心にある。