国産品がモデル転換して一時的な「ネットの人気者」になることは難しくなく、難しいのは人気が長く続くことだ。濃密な時代の記憶が染み込んだ商品に対し、消費者は鷹揚に支持し、イノベーションが不十分でも容認してしまうが、劣悪な模倣品や機械的な寄せ集めでは買い続けてはくれない。「国潮」の急速な盛り上がりは、国産品のモデル転換にヒントを与えると同時に、ハードルも引き上げた。活発なクロスオーバー、ミックス・アンド・マッチ、ブランドエクステンションの後、国産品はどのように次のステージを切り開くだろうか。重要なことはやはり消費ニーズを満たし、消費ニーズをさらに生み出すこと、ブランドの価値を高めることだ。ここ数日間、ユニクロと米アーティストのカウズとのコラボTシャツが大人気で買い占めが起きていることから、トレンドを生み出し、ニーズを活性化させれば強大なパワーが生まれることがはっきりとわかった。そうして改めて国産品をみると、確かに飛躍的な進歩は遂げたが、消費者のニーズとのミスマッチはなお存在し、海外での炊飯器や便座などの買い占めはニーズの流出という不本意な状況を映し出している。チャンスをつかまえ、モデル転換とバージョンアップを遂げ、品質、文化、感情、個性などに対する消費者のニーズを掘り起こし、より優れた供給、よりクリエイティビティにあふれた供給によって消費者をつかまえれば、国産品は前に進んで越えるべきハードルを必ず越えられる。
今年5月に3回目の「中国ブランドデー」を迎え、北京・三里屯の街角に設置されたポップアップストア「有間国潮館」がオンラインでもオフラインでも大きな注目を集め、「中国造、正当潮」(中国製はトレンドに)とのメッセージを残した観客がいる。「国」と「潮」が結びついてブームを引き起こしていることは、中国の発展を証明するものであり、確固とした文化的な自信と国産品への強い共感を映し出すものでもある。時代の流れに乗り、勢いよく前に進み、ファッショナブルな「国潮」をより多く生み出せば、消費者により多くの喜びを与えることができる。(編集KS)
「人民網日本語版」2019年6月6日