中国の「鉄の駱駝」と称される中欧班列は2019年3月末時点で、運行本数が累計1万4千本を超え、中国の59都市と欧州15各国の50都市を結び、輸送貨物の種類も豊富になった。中国と中欧アジアや欧州の各国を結ぶ新たなルートとなっただけでなく、「一帯一路」の貿易街道を切り開き、「一帯一路」の貿易を円滑化する重要な媒体として「一帯一路」共同建設の代表的な成果となった。
ロシアは現在、中欧班列の越境路線が最も長く、税関の最も多い国となっている。中国とロシアの国際貨物輸送鉄道協力の強化は、中欧班列にとって大きな意義を持つ。上海外国語大学ロシア東欧中央アジア学院博士の韋進深氏は、中欧班列の急速な発展が、中国とロシアによるハイクオリティな国際輸送ルートの共同建設や、ユーラシア地域の長期的な経済協力を後押ししたとの見解を示す。
韋進深氏は、ロシアのシベリア大鉄道について、輸送能力が効率的に利用されておらず、コンテナ輸送の利用価値が低いと指摘。その上で、中欧班列の急速な発展が、コンテナ輸送を中心に貨物の越境輸送を行うシベリア大鉄道の輸送効率向上を大きく促進したと分析した。また、原油輸送、コンテナ越境輸送、カザフスタン・ロシア経由欧州向け貨物輸送が、中国とロシアの国境鉄道協力の目指す方向となっており、これが先行きに大きな余地が広がる中欧班列のハイクオリティな発展を促進するとみている。